保育の実際[図4][図5][図6]

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 戦後再開した幼稚園の保育は、大正15年(1926)に制定された「幼稚園令」「幼稚園令施行規則」などに基づいて行われていたが、昭和23年(1948)3月文部省は「保育要領」を発刊し、幼稚園における保育の基準を示した。保育内容として、1見学 2リズム 3休息 4自由遊び 5音楽 6お話 7絵画 8製作 9自然観察 10ごっこ遊び、劇遊び、人形芝居 11健康保育 12年中行事 の12項目をおいた。
 この「保育要領」に基づいた新しい幼稚園づくりがはじまり、各地で研究が活発になってくる[注釈4]。東京都教育委員会では、新しい教育の推進のため実験学校を置いた[注釈5]。昭和24年度には本区南山幼稚園が実験園となっている。さらに昭和27年5月「幼稚園基準」制定、昭和31年「幼稚園教育要領」「幼稚園設置基準」が制定され、新しい幼稚園教育の基礎が固まってきた[注釈6]。
 保育内容は「幼稚園教育要領」によって、1健康 2社会 3自然 4言語 5音楽・リズム 6絵画・製作の6領域とされた。
 また、幼稚園設置基準によって1学級の幼児数は40人以下、各学級には、少なくとも専任の教諭1人を置かなければならず、施設・設備についても備えつけなければならないものが定められた。

[図4] 幼稚園の子ども達・南山幼稚園


[図5] 幼稚園の子ども達・南山幼稚園


[図6] 幼稚園の子ども達・南山幼稚園

 区内幼稚園保育の一例として、中之町幼稚園昭和39年度の計画をあげてみる[図7]。

[図7] 年間指導計画主題概要

 教育目標
 イ 健康安全のための基本的良習慣を身につけさせる。
 ロ 集団生活に適応させてゆたかな社会性をそだてる。
 ハ 知識の芽生えを正しくのばし創造性を豊かにする。
 
 昭和29年11月11日、全国自作スライドコンクールに南山幼稚園より、「おむかえ」を出品し、第3位入選「幻灯の日賞」を授与される[図8]。昭和33年3月、中之町幼稚園では園歌をつくり修了式からうたった[図9]。

[図8] 南山幼稚園の自作スライド入選を報ずる『幻連月報』


[図9] 園歌・中之町幼稚園

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