新設園の増加

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 区は小中学校の整備、充実を優先しなければならず、区立幼稚園の増設、新設は昭和38年までは不可能であった。この間、区内で私立幼稚園の設置が急増した(園児数は昭和34年現在)。
 
 園名        創立年月   所在地    園児数
 瑞聖幼稚園     昭和22年4月 芝白金台町    80名
 愛育幼稚園     昭和23年2月 麻布盛岡町  110名
 みなと幼稚園    昭和23年4月 芝西応寺町  143名
 枝光会附属幼稚園  昭和23年9月 芝高輪南町    98名
 青山幼稚園     昭和24年3月 赤坂青山南町   74名
 西久保幼稚園    昭和24年4月 芝神谷町     62名
 魚籃幼稚園     昭和24年4月 芝三田台町    59名
 麻布みこころ幼稚園 昭和24年4月 麻布霞町   105名
 南部坂幼稚園    昭和24年4月 麻布広尾町    20名
 善光幼稚園     昭和24年10月 赤坂青山北町 174名
 赤坂幼稚園     昭和27年6月 赤坂一ツ木町   91名
 白金幼稚園     昭和27年9月 芝白金台町  171名
 新橋幼稚園     昭和28年4月 芝新橋      49名
 サクラ幼稚園    昭和28年4月 芝白金三光町   41名
 芝幼稚園      昭和28年5月 芝公園      88名
 ナザレ幼稚園    昭和28年10月 芝白金三光町   95名
 ひなぎく幼稚園   昭和28年11月 麻布今井町    84名
 宮本幼稚園     昭和29年2月 芝三田綱町    56名
 麻布あけぼの幼稚園 昭和29年4月 麻布筓町   106名
 青松幼稚園     昭和29年10月 芝愛宕町   138名
 天現寺幼稚園    昭和29年11月 麻布富士見町   72名
 
 昭和22年から29年の間に21園が開園するに至っている。戦後の私立幼稚園の増加は全都的な傾向であり[注釈7]、全都的にみると増加のピークは昭和30年であるのに対して、港区では、昭和29年以降は新規開園される幼稚園はしばらくなく、昭和38年になってサンタセシリア幼稚園が開園され、計33園の私立幼稚園が設置された。その後、閉園される幼稚園もあらわれ、昭和43年度には、私立幼稚園は28園となった。
 一方、戦後、小中学校の施設整備に全力を注いできた区では、やっと校舎体育館、プール建設の見通しがつけられその結果、昭和39年度より区立幼稚園開設をはじめられるようになり、以後、順次区立幼稚園を開設していき、44年度には区立幼稚園20園を開設するに至った[注釈8]。
 この区立幼稚園の新設を開始する昭和39年度までは、区立幼稚園は5園だけであり、区内幼稚園教育は、全面的に私立幼稚園が受け持っていたといっても過言ではない。過半数の幼児が区内私立幼稚園で幼児教育を受けていることになる。
 
関連資料:【学校教育関連施設】
関連資料:【図表および統計資料】教育行政 区立幼稚園増改築等の状況