教育内容

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 精神薄弱児は、ただ単に知能が低いばかりではなく、身辺の処理や対人関係で不適応をおこし、社会生活を円滑に営めない場合がある。そこで、小学校では、生活指導を中心に感覚訓練、基礎学習を行った。中学校は、職業指導を中心に機能訓練・生活指導を行った[注釈4]。
 「特殊学級」の教育課程について、氷川小学校の昭和39年度高学年の例を挙げてみる。
 
 1 「特殊学級」の教育課程は、小学校学習指導要領のほかに養護学校学習指導要領小学部編に準じて編成されているが、本区では指導系列を次の四つに分類している。
  (1) 生活単元学習 年齢や能力のまちまちの児童が、一つの共通の興味を中心として、共同で活動し、しかもその活動の中には能力や年齢に応じた多種多様な活動が用意されているもので、合科的な意味をもつ。時程表には「生活」として設定してある。
  (2) 教科の学習 国語・算数・音楽・体育・図工など反復してある程度系統的に指導するもの。
  (3) 日常の生活指導 基本的な生活習慣や、集団生活をする上で必要なことがらなどは、日常の生活の中でいろいろな機会を通して反復して指導する。「朝のしごと」「話し合い」「給食」「そうじとまとめ」などがこの時間である。
  (4) 作業の学習 一定時間作業をさせ、勤労意欲を高める指導をする。
 2 週生活時程表(一部抜粋)[図4]参照

[図4] 「特殊学級」の週生活時程表(氷川小学校の昭和39年度高学年の例/一部抜粋)