進路指導

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 昭和33年3月25日、港区の「特殊学級」として、初めての卒業生小学部6名、中等部2名、計8名を出した。同年4月より小・中学部はそれぞれ分離独立して、神明小学校「特殊学級」と城南中学校「特殊学級」となったが、34年3月25日には小学校9名が卒業し、全員城南中学校「特殊学級」へ進学している。
 同時に城南中学校では9名の卒業生を出し、8名が就職、1名が東京都立青鳥養護学校高等部へ進学した(33年度卒業生2名のうち、1名は某化粧品会社へ女子工員として就職し、1名は東京都立青鳥養護学校高等部へ入学している)。
 以後、小学校「特殊学級」の卒業生は、中学校「特殊学級」へ進学、中学校「特殊学級」の卒業生は、ほとんどが就職、一部が東京都立青鳥養護学校高等部へ進学している。
 「特殊学級」では、小中学校ともに障害を乗り越え、社会的、経済的にも自立しうるような生活能力を養うことを指導の重点に置いた教育がなされている。このため小学校では生活指導に、中学校では職業指導に重点が置かれている。特に中学校は卒業すると同時に社会に出る生徒が多いため、校内実習に重点を置いている。
 昭和38年度においては、城南中学校では雑布製作、高松中学校ではプレス機、平止め機1台によるのり玉の箱製造、高級文具のプレス加工等を行い、また校外実習にも力を注いでいる。42年度城南中学校「特殊学級」をみると職業教育が中心となっており、校内実習として、男子は木工作業、女子はミシン作業・編物作業・調理作業がとり上げられている。
 中学校「特殊学級」卒業者の進路状況は、[図5]に示されるよう、企業主の好意ある受け入れにより、なかには優秀であるという評価を受けた生徒もいた。

[図5] 卒業生の年度別進路一覧・昭和32年度~昭和40年度

関連資料:【学校教育関連施設】