指導の重点

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 身体の虚弱な児童を集めた養護学園の指導の重点はまず健康増進を第一に考え、恵まれた環境と共同生活の特長を生かして、心身ともに健康で自主的な児童の育成に努める。40年度には、指導の重点として次の方針のもとに指導が加えられた。
 
   適度の運動とじゅうぶんな休養をとらせる。
   規則正しい生活をさせる。
   食生活の指導を重視する。
   共同生活の楽しさを味わわせる。
   臨地学習に力を注ぐ。
 ① 学習指導の重点
   学習は普通小学校の授業と同じ、適当な予習復習をして効果を上げる。
   恵まれた自然環境は都会にない豊富な学習資料、特に臨地学習を重視。
   学園は個別指導に最も適している。一人一人の力を伸ばすよう努める。
 ② 生活指導の重点
   学園は学校であり家庭でもあるので、お互いに愛情をもって楽しく生活をさせる。
   集団生活をとおして協力、自主性、規律等の心を深め、社会人的しつけを身につけさせる。
   寮母を中心に教諭、養護教諭が協力して家庭的生活を営ませ、いろいろの作法を指導する。
   責任と義務の自覚を養う。
 生活日課
 日課表 ([図10]参照)
   季節によつて多少変更するが9時間以上の睡眠と充分な安静をとることを原則とする。

[図10] 養護学園の生活日課表

 学園の入退園 (昭和40年度の例)
 1学期 4月20日~7月20日・夏季施設 7月21日~8月10日
 2学期 9月15日~12月15日・3学期、1月20日~3月20日
 学園の行事
 年行事 入退園式、校外学習、健康診断、検便駆虫、各種予防接種、登山会、お別れ会等
 月行事 体重測定(2回) 健康相談(第2、4木曜) 誕生会、映画会、競技会、園外学習見学、退避訓練、父兄会、面会日等
 
 昭和35年度より教育費扶助制度のスタートにより、生活困窮児童で沼津養護学園希望者(小学校3年以上)に対しては賄費減免の措置が講ぜられるようになった。
 沼津養護学園だよりとして、教師の手刷り印刷『うしぶせ』が発行され、区内各校、参加児童家庭に配布され、学園での児童の生活が紹介された。