各種学校

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 昭和22年制定の「学校教育法」は第83条で、「第一条に掲げるもの以外のもので、学校教育に類する教育を行うもの(当該教育を行うにつき他の法律に特別の規定があるもの及び専修学校の教育を行うものを除く)は、これを各種学校とする」とした。さらに「前項のほか、各種学校に関し必要な事項は、監督庁が、これを定める」と規定され、昭和31年12月5日、文部省は省令第31号によって「各種学校規程」を発し、修業期間、授業時数、教員数、校舎面積等について規定した。この規定に基づき、東京都では「東京都私立各種学校規程施行内規」を定めて、更に具体的な認可基準を規定した。
 港区内には、昭和26年に26校が設置されており、これが昭和31年になると34校に増加する。しかし、これ以上は増加することはなく昭和33年には29校、昭和35年27校、昭和38年25校、昭和42年23校と減少していく。
 東京都では、各種学校の水準維持につとめるだけではなく、都立の各種学校の設立につとめ、その一つとして、港区白金志田町に昭和25年1月、東京都芝洋裁学校を設立している[注釈7]。
 この学校は、当時の私立の洋裁学校の多くが比較的余裕のある家庭の婦女が在学していたのと対象的に、芝洋裁学校においては生活困窮者を対象に、授業料免除、教材一部貸与等々の特典を与え、できる限り生活困窮者に職業教育を行う洋裁学校として、画期的な教育方針のもとに発足したのである。再発足時(注・財団法人東京都勤労補導協会によって経営されていたものが、昭和25年1月東京都に移管された)における内容は本科(隔日1カ年修業)、高等科(隔日6カ月修業)、研究科(隔日6カ月修業)、速成科(隔日6カ月修業)、裁断科高等部(日曜のみ6カ月修業)、裁断科普通部(日曜のみ6カ月修業)、手芸編物科(週1回6カ月修業)というように各種の科程を設けて、修業者の便をはかるという配慮が行われた(『東京都教育史稿』戦後学校教育編)。
 
 昭和42年度、港区内各種学校は次のようである(『区勢要覧』)。
 東京都芝洋裁学校         南青山7―13―9
 新橋虎ノ門タイピスト学校     新橋2―7―2
 虎ノ門高石洋裁学院        西新橋2―14―1
 慈恵高等看護学院         西新橋3―25―8
 東宝芸能学校           芝公園5―12
 慶応義塾外国語学校        三田2―15―15
 戸板服装学院           芝3―38―22
 宮本珠算学校           三田4―8―34
 小林珠算学校           芝4―4―34
 森永クッキングスクール      芝5―33―1
 枝光会綜合稽古所         三田4―19―36
 国際聖マリヤ学院         三田4―19―15
 聖徳学園短期大学 教員養成所   三田3―4―28
 白金珠算学校           高輪3―10―37
 北里衛生科学専門学院       芝白金三光町130
 ハリウッド高等美容学校      六本木6―5―13
 霞ケ丘技芸学院          西麻布3―19―16
 中央労働学院           南麻布2―8―18
 西町インターナショナル スクール 元麻布2―14―7
 原のぶ子アカデミー洋裁      北青山3―5―17
 カルチャーセンター 米会話学院  新橋5―10―8
 白金自由学園           芝二本榎西町2
 聖心女子学院専修学校       白金三光町425
 
関連資料:【学校教育関連施設】