「都道府県及び市町村の教育委員会の事務局に、社会教育主事及び社会教育主事補を置く」(社会教育法第9条の2)、「社会教育主事は、社会教育を行う者に専門的技術的な助言と指導を与える。但し、命令及び監督をしてはならない」(同法同条の3)を受けて、社会教育主事が23区に配置されたのは昭和35年のことである。
それに先だち、東京都教育委員会に社会教育主事が置かれたのは昭和27年のことであったが、これは同26年の「社会教育法の一部を改正する法律」の施行によって、社会教育主事が都道府県に必置となったためであり、昭和27年当時、東京都には13名の社会教育主事が誕生した[注釈16]。
本区においては、昭和35年6月1日付をもって社会教育主事1名が措置された。また、社会教育主事の設置に引続き、昭和36年には、社会教育主事補(「社会教育主事補は、社会教育主事の職務を助ける」社会教育法第9条の3の2)が各区に配置されることとなり、同年4月1日付をもって1名が措置された。
ところで社会教育主事の人選については、当初教員からの転用を図ることを旨としたため、各区の社会教育主事(補)はほとんど教員出身者で占められるという状況であったが、区自治権の拡大に伴い、採用方針の変化などにより、その後、教員出身者の占める比率は小さくなっている。本区においては、社会教育主事の配置を契機として、社会教育事業の体系化と施策の焦点化が一段とはかられるようになった。