昭和30年、東京都青少年問題協議会は、青少年対策活動は小地域を対象として、その地域の実情に即した活動が必要である、との見解から、各区市町村青少年問題協議会の下部組織の設置を考えた。これが「地区組織の活動強化に関する実施要領」であり、その活動目標は次の通達であった。
1 活動目標
(1) 青少年をめぐる社会環境の浄化
(2) 校外生活指導と青少年余暇指導の強化
(3) 青少年のための文化施設の整備
(4) 青少年団体の指導育成
(5) 働く青少年の指導育成
(6) 家庭及び両親教育の振興
(7) 地区内児童福祉対策の強化
それぞれの活動目標を達成するため、具体的な実施事項も提示されたが、例えば「青少年団体の指導育成」では既存団体の育成指導・未組織地域の組織化促進などがあげられた。
また、補導連絡会は、警察単位に、問題青少年の保護及び補導活動について関係諸機関の連絡調整を行う目的で設置されていたが、これもこの機会に青少年問題協議会の下部組織として位置づけられることとなったのである。
本区においては、昭和32年に前述の法に基づく青少年問題協議会がその規約の一部改正によって再編成されるとともに、同34年、中学校区を単位として11の地区委員会が誕生した。補導連絡会は同30年に発足していたが、これも協議会の下部組織となったのである。
ところで、地区委員会の活動目標は、従来、地域諸団体が実践している内容と多くの点で競合する面があり、当初よりその性格が問題視されるところであった。他区では、事業の実施主体ではなく、諸団体の活動を側面から援助することに主眼を置くことで、無用なあつれきを避けようとしたが、本区においては、青少年団体の低迷もあって、地域における実質的な活動主体として独自な活動を展開してきた。