■三田図書館[図16]
昭和34年3月25日、区立図書館としては都区内で最大規模を誇る図書館が完成した[注釈23]。これは、港区10周年記念事業の一環として建設されたものであるが、従来の図書館にはないさまざまな特色を持ち、図書館行政の理想を実現するものであった。そのいくつかを挙げてみると次のとおりである。
延562坪の床面積を持ち、定着席は252席である。
勤労者や学生のため、夜間9時まで開館する。
視聴覚教育振興のため、フィルムライブラリーを設置した。
定員54名の児童閲覧室を設けた。
成人教育活動の場として機能させるため、会議室(54名)、日本間(24畳)、茶屋(6畳)、水屋、視聴覚室(108名)等を附設し区民の利用に供する。
地下に食堂(48名)を設置した。
建設後、着席数は364席に増加されたが、来館者が多いため、翌35年10月には3階増築工事が完成し、588席となった。
以来、港区立図書館の中心館としての機能をも合わせ、多くの区民に親しまれてきたが、老朽化が進んだため、また中心図書館として「みなと図書館」が新たに建設されることとなったこともあって、昭和54年4月にいったん閉館し、取り壊され、57年4月に新生「三田図書館」として再建築された。
[図16] 三田図書館
■赤坂図書館[図17]
氷川図書館の閉鎖に伴い、赤坂図書館が開設したのは、昭和38年8月末日のことである[注釈24]。三田図書館に次ぐ規模のものとして建てられたが、三田図書館と同様に社会教育活動の場としても活用できるよう、施設・設備には十分な配慮がなされた。
[図17] 赤坂図書館
関連資料:【学校教育関連施設】