『学校教育指導要覧』

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 『学校教育指導要覧』は、港区教育委員会指導室の編集により昭和38年度から昭和55年度まで発行された。おおよそ毎年度5月~6月ごろの発行と考えられる。
 当初は、設置後6年を経た指導室として、学校教育指導の方針・内容の概要を明らかにするものであったが、後に「教育の現場に、何かにつけ役立つものを、できるだけ盛り込む」〔『学校教育指導要覧』(昭和44年度)〕という、いわば学校現場向けの便利帳としての編集方針が定着した。その趣旨から、当該年度の方針や予定を記載する性格が強い。内容は、指導室所管の研修・研究・連合行事などの事業の概要、研究や教育相談など教育センターの事業の概要、心身障害教育や校外施設について、区立各学校の教育目標等(これは昭和45年度から『港区立学校概要』として独立して発行される)などであった。区立各学校の幼児児童生徒数・学級数・職員数や施設、教職員の男女・年齢別構成などの基本的な事項や、教育費予算の概要、教育委員会事務局の機構と事務分掌、また校長会・教頭会・教育研究会等の教育団体についても掲載されている。
 なお、特に初期において、各校の授業時数配当の分布、全国学力調査での順位推計表(港区の調査対象校の分布の幅が示されている)などが掲載されているのは、当時の学校教育指導行政の関心を反映しており興味深い。
 また、おそらくこの前史に位置づくものとして、『指導室だより』の「創刊号」(昭和34年3月)、第2号(昭和35年3月)及び第4号(昭和37年3月)並びに『昭和37年度 指導室要覧』を確認できる。