昭和45年3月に、「しばらく休んでい」た後の「再刊」として、「43年度における実績を明らかにし」たという『港区の社会教育 昭和44年度』が刊行された。その後、編集方針について、「社会教育の現状を大づかみに集録」〔『港区の社会教育 昭和45年版』(昭和46年3月刊)〕するという記述もみられるが、次第に刊行の前年度の「事業実績」を収録する方針が明確になった。
このような性格の複合性も影響して、書名の規則性に度重なる変更がみられることは、活用にあたって注意を要する。すなわち、上記のほか、「昭和47年度の事業実績を収録」した『港区の社会教育 昭和48年版』(昭和49年1月刊)の次が「昭和48年度の事業実績を収録」した『港区の社会教育 昭和48年度』であり、その次が『港区の社会教育 昭和49年度実績報告』(昭和50年11月刊)である。その後『港区の社会教育 昭和50年度実績報告』(昭和52年3月刊)、『港区の社会教育 昭和51年度実績報告』(昭和53年1月刊)の次は『港区の社会教育 昭和53年版』(昭和54年1月刊)である。
内容は、『港区の社会教育 昭和44年度』を例にとれば、社会教育のねらいや現状と方向・社会教育の予算などの全般的事項を述べた後、事業・施設ごとに「成人学校」「PTA研修」「婦人学級」「家庭教育学級」「新生活運動」「成人の日記念式典」「視聴覚教育」「青少年教育」「青少年対策」「社会体育」「図書館」「青年館」の章を立てている。章ごとに、開催状況や参加者数、施設の利用状況などの実績値を示しながら、現状や方向について記述している。
[図2] 『港区の社会教育』(「昭和37年度版」)
昭和38年3月に刊行された。