『港区の教育』『指導室・教育センター要覧』

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 『港区の教育 昭和56年版』が昭和56年10月に刊行され、以後毎年刊行されている。昭和56年版は「昭和55年度の港区教育委員会所管の事業実績を、教育行財政、学校教育、社会教育、社会体育、図書館、の五つに大別し、集録したもの」である。
 昭和56年版について言うと、「学校教育」については、区立各学校の幼児児童生徒数・学級数・教職員数や施設、区立幼稚園の入園状況、校外施設の概況、心身障害学級の設置状況、就学援助認定状況、幼児児童生徒の身体計測値集計、奨学資金貸付状況などの基本的な実績値を含めながら、「教育環境整備」「港区学校教育のねらい」「区立幼稚園、小・中学校経営概況」「研究・研修事業」「連合行事」「研究奨励事業」「保健給食」「奨学資金の貸付」などの項ごとに概容を知り得る記述がなされている。「社会教育」以下については、事業や施設などについて、実績を示しながら、現状と方向を記述しており、港区の社会教育行政についての、いわゆる白書のような性格を見出すこともできるだろう。
 のちに、『港区の教育 平成20年度版』(平成20年8月刊)から、「「港区教育振興プラン」の体系に準拠した内容に改訂」された。教育行政の変化を踏まえて、区の行政施策推進に資する資料としての性格を明確にしたものと言える。それ以降も、『港区の教育』は、区民が同時代の港区の教育について知るための必須の刊行物として利用され続けているものと思われる。
 『港区の社会教育』は、『港区の社会教育 昭和55年版』(昭和55年11月刊行)を最後に刊行されず、その機能は『港区の教育』に吸収されたものと考えられる。『学校教育指導要覧』については、内容の一部が『港区の教育』に収録されるとともに、その構成や内容のおおよそを引き継いで『指導室・教育センター要覧―昭和56年度―』が発行された。平成10年度(1998年度)には組織変更を踏まえて『指導室要覧―平成10年度―』となり、平成15年度までは発行が確認できる。