教科書の展示会は「教科書の発行に関する臨時措置法」第5条の規定により実施される。港区では区立教育センター内に教科書センターが設けられており、ここで教科書展示会が開催される。展示会に出品される教科書の見本は、新たに検定を受けた新版又は改訂版教科書のほか教育委員会の保存本で、小学校用・中学校用・高等学校用・ろう・養護学校用教科書である。教職員対象の展示期間では法で定められたものは10日間であるが、本区ではゆとりを持って十分検討できるよう期間を延ばしている。なお、教科書センターには保存本を含め常時教科書を展示しており、来訪者に支障のない範囲で閲覧できるようにしてある。
教科書の採択は、各学校ごとにそれぞれの教科別に希望をまとめ教育委員会に報告し、それを参考にして都教育委員会が採択する。そこで、本区では教科書の全面改訂の年は、各学校の全教職員が教科書センターに来て検討できるような配慮をしている。割り当て日には全教職員が手分けして教科書を調べ、校長が教職員の意見をもとに順位をつけ区の教育委員会に報告できるようにしている。
なお、教科書の無償給与は昭和38年度から年次計画で実施され、昭和44年度から全児童・生徒に完全支給された。