港区は地理的にも都心に位置し、区内に各種国際施設も多く、外国人居住者も多いことなどから、古くから国際理解教育が重要な課題としてとりあげられてきた。小・中学校のこれまでの国際理解教育の具体的な実践は、姉妹校の提携による外国との交流とJRC活動(青少年赤十字活動)であった。これらの活動も古い歴史をもちながら、途中活動が絶えた例もあるが、各校独自の計画と実践をしている。
港区教育委員会では、昭和57年(1982)、区内小・中学校から選出された委員による「国際理解教育促進検討委員会」の答申「港区における国際理解教育の促進のあり方」をもとに、昭和58年度から国際理解教育促進委員会を発足させた。この委員会は区内各校が積み重ねてきた国際理解教育の実践で不明な点を明らかにし、国際理解を一層促進させ、同時に広く区内小・中学校にその教育を拡大し深めていくための具体策を研究、協議するもので主に姉妹校提携とJRC活動、国際理解教育の内容・方法・実践活動の場などを検討する機関でもあった。このように国際理解教育が教育行政としてとりあげられることにより、これまでの各校独自の計画・実践が、区という土壌の上で共通の課題として活発な実践に発展するようになった。
小学校段階における国際理解教育は、自分達の身近かな家族や地域社会、我が国土及びその歴史などへの認識を新たにし、その理解を深め、さらに発展し世界の国々と結びつき、世界共通のいろいろな問題に対し目を開かせることをねらいとしてきた。この教育を教育課程の中に位置づけ意図的・計画的に進めるべく具体的に実践されてきた活動に、姉妹校提携と、JRC活動がある。次にこれらの国際交流活動の実践例をあげてみよう。
関連資料:【くらしと教育編】第14章第4節 (2)姉妹校提携とJRC活動について