おもな改訂点

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 昭和33年(1958)に改訂されその際法的拘束力をもつことになった学習指導要領の最初の改訂が、昭和44年に行われ、更に昭和52年に次の改訂が行われた。
 昭和44年の改訂は、高度経済成長政策が成果をあげ、日本はそれまでになくGNP(国民総生産)が高まり、科学技術革新が急速に進み、生活環境が大きく変化するという時代を背景に行われたものであり、ついで昭和46年中央教育審議会が打ちだした「期待される人間像」を反映した改訂であった。「人づくり」をめざすこの改訂では、教育現場における人間形成を、特別教育活動に求めその充実を意図したほか、学業不振生徒の対策、進路指導、生活指導、道徳指導、体育などの面を重視する内容を盛りこんで、時代の要望に応えた。
 つぎに昭和52年の学習指導要領の改訂は、教育課程審議会の答申にある「上級学校への入学者選抜制度の改善や家庭教育および社会教育との関連を図ることを重点に審議を行ってきたこと」を前提に
 人間性豊かな児童・生徒を育てること。
 ゆとりのある、しかも充実した学校生活が送れるようにすること。
 の2点をうけ、学校教育の質的な転換を求め、それまでの知識の伝達に偏っている学習指導の傾向を改め、自ら考え正しく判断できる力をもつ生徒の育成をめざす方向を示した。