御成門中学校の先導的試行

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 昭和52年の学習指導要領改訂に向かって審議が進められている過程であったが、御成門中学校は、文部省の委嘱を受け、昭和51年5月より3年間にわたって、「中学校及び高等学校における教育の連携を深める教育課程の研究開発」について研究した[注釈1]。これは新しい教育課程のあり方を探る先導的な試みであった。御成門中学校への研究委嘱事項は、
 各教科ごとに、最小限共通に履修させる指導内容のあり方
 生徒の個性、興味、関心、学力などに応じた選択的扱いをするための指導内容のあり方
 生徒の個性、興味、関心等により、いくつかの教科の中から一つの教科を選択させる方式の検討
 生徒の能力・適性などに即応した指導時数の運用と1単位時間のあり方など
で、いわゆる生徒の発達段階や能力・適性などに応じた教科の履修方式を可能にする教育課程の研究開発を行うことにあった。
 すなわち、昭和52年の学習指導要領にみられる、基礎・基本をふまえた学習指導内容の精選、教科選択制、週30時間授業などの先導的試行が研究の焦点であった。この研究は、第1年目より区内中学校はもとより、全国各地の中学校教育現場の人々の注目を集めた。この研究の成果は、昭和52年度の学習指導要領改訂の理解に役立った。また、区内の学校では週34授業時数の中で「創意の時間」を模索する学校もあった。
 
関連資料:【学校教育関連施設】