授業時数の改善

97 ~ 99 / 429ページ
 [図1]は、昭和44年と昭和52年に改訂された中学校の教科・道徳・特別活動の授業時数を比較したものである[注釈2]。この表で見ると、昭和52年には各学年とも大幅に削減されていることがわかる。これは、学習指導内容の精選により、生徒の学習負担を適正なものにし、ゆとりのある学校生活を送らせるという改訂の主眼ともいえるものであった。したがって、ここで生み出された「ゆとりの時間」は、その趣旨を生かし、学校の創意により、生徒一人一人がのびのびと活動する場の設定にあてられることになった。更に授業時数が縮小された教科にあっては、指導内容の基礎・基本をふまえた精選という指導内容の検討が課題となってきた。
 このことに関して、昭和53年度、港区教育委員会で作成した「教育課程移行のための手引」では、ゆとりの時間について次のように勧めている。
 
 ゆとりある充実した学校生活をおくるためには、生徒ひとりひとりの自己実現を図る場を設定したいものである。授業時数の削減によって生じた時間をどのようにするかの発想ではなく、地域や学校の実態をおさえて、学校の全校教育活動を見なおす点検・吟味の上に立つ教育計画の中で考えられねばならない。

[図1]中学校教科道徳特別活動時間数

 そして、更に学校教育目標との関連をおさえ、その具現化を図る教育の場であり、学習活動の充実と深い関連を持つ創意工夫の教育活動であると説いている。