教科指導計画改善の動き

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 昭和40年代に入ると、高等学校への進学率の急速な上昇にともない、いわゆる受験戦争が激化した。それに対し、都教育委員会は都立高等学校入学者選抜制度などの改革によって、学力偏重をなんとか是正しようと図ったが、従来の一斉指導の形態が定着している教育現場では学習についていけない生徒の対策に苦悩した。このような状況の中で、学習指導要領が改訂された。
 この改訂の中心は、個性、能力に応ずる効果的学習法の導入であり、基礎的な学力の充実と個別化指導の徹底であった。更に、昭和50年代では、基礎・基本になる学習内容の精選によって指導時数を削減し、ゆとりと充実を図ること、生徒の個性や能力に応じ学習に興味や関心を持たせる指導法や教科選択制の導入などがあげられる。
 このような改訂の流れは校内研修にも多く見られるし、更に発展し研究協力校や研究奨励校のテーマにもとりあげられている。学習内容の構造化とか、教育機器の導入、学習形態の工夫、学習集団の組織化など具体的な改善策をとり入れた授業を研究・実践してきている。これらの中でこれまで研究紀要などに発表された研究事例をあげると次のようなものである。