昭和43年3月31日に発行された港区教育委員会の『移動教室指導資料Ⅳ』によると中学1年生に実施するということをふまえ次の二つの趣旨が述べられている。
(1) 学級づくりに役立てる
「学級づくり」は、ひとりひとりの人間形成をめざして望ましい人間関係を育てることであり、学級経営の中心課題である、具体的には、相互理解を深め、仲間意識を強め、平等感・規律感・寛容性を身につけさせることである。
(2) 社会的な要請にこたえる
現代の青少年に欠けているといわれる強い意志力、責任感、公共物愛護の態度、自然に親しみ、自然を愛する心情を養成し、社会の要請にこたえることを意図している。
また、移動教室読本『小諸の生活』の移動教室の目標にも次の4点があげられている。
1 大自然の中で、自分をたくましく鍛えよう。2 宿泊生活を通じて、学年・学級のまとまりを強める。(正しい共通の目標をもつ。きまりや約束を守る。仲間意識を強くする。組織をつくる。)3 自然に親しみ、自然から学ぼう。4 常に感謝の心をもって行動しよう。
となっている。現在は、総合運動場や農場の開設により、自然との触れあいや体験学習の幅がより広がり移動教室の意義は一層大きくなった。