学級における進路指導

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 進路指導のねらいと学級指導における進路指導については概要次のとおりである。
 
■進路指導の位置づけ
 進路指導が中学校の指導の重点の中に位置づけられたのは、昭和43年度ころからで、昭和45年度には進路指導などは、区内の11の全中学校に位置づけられている。昭和43年度の区の進路指導の重点は次のとおりである。
 
 進路指導の重点(昭和43年度)
 自己の特性と環境を考えて、進路の選択が自主的にできるように指導する。
 補習など受験教育を排し、適性能力に応じて進路選択ができるよう面接を利用する。
 一人一人の生徒に個性や能力を理解させ、それに基づいて個人相談や小集団の適切な指導をする。
 
 昭和60年度の進路指導に対する考え方は次の五つにまとめられる。
 (1) 自己の能力・特性を知り、将来を見通して進路の選択ができる。
 (2) 能力や適性に応じ進路をきめる態度をつくる。
 (3) 正しい職業観を育てる。
 (4) 自己を理解し社会に役立てようとする態度を養う。
 (5) 発達段階に応じ進路指導を充実し、自己教育力を養い主体性のある生徒を育てる。
 
■進路指導の計画と実践
 進路指導は主に学級指導の中で行われる。芝浜中学校の昭和56年度の学級指導計画から進路指導の実践をみてみよう([図48]参照)[注釈13]。
 学級指導の中で1年、2年、3年生へと計画的に進路の指導をつみあげていき、中学3年生では一人一人の生徒が適性・能力に応じた進路を選択できるよう指導をしている。

[図48]進路指導計画〔昭和50年度・芝浜中学校〕

■進路希望と対策
 進路希望と対策の概況は次のとおりである。
 昭和60年度の進学状況をみると、区内各校ともほぼ100パーセントの生徒が全日制高等学校への進学を希望している。しかし卒業期になると各校とも数名の生徒が定時制高等学校や専修学校などへの進学と就職に変更しているのが実情である。進学にあたっては、3学年になると学業成績や諸情報・生徒の適性・本人や家族の希望などを基に生徒・父母・担任教師の三者面談をくりかえし進学すべき学校を選択する。一方、就職希望者については、区内の芝園橋職業安定所の提供する情報などを基に進学同様三者面談を行い決定する。
 
関連資料:【文書】中学校教育 朝日中学校進路指導年間計画