区の研修会

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 区教育委員会が主催する研修会([図5]参照)とその参加状況は概ね次のとおりである。

[図5]港区教育委員会主催研修会〔昭和59年度〕[注釈6]

 
■教頭研修会
 この研修会は昭和43年(1968)から現在(昭和60年)まで継続実施されている研修で、教頭会の中に研修が含められている[注釈7]。回数は年により一定していないが宿泊研修を含め年十数回実施されている。とくに昭和56年から回数が多くなっている。
 この研修は区内小・中学校の教頭全員を対象とし、資質及び識見の向上を図るとともに、充実した学校運営に寄与することを目的としている。研修内容、方法も年により一定していないが、多くの場合地区別に分かれ研修テーマを選び、地区別分科会を中心に研修をし、最後にこれをまとめ、全体会で発表し討議する方式をとった。
 
■新規採用教諭研修会
 昭和45年度から[注釈8]現在(昭和60年)まで継続実施し、毎年6回以上25回行っている。
 この研修会は本区に新規に採用した教職員に対し、教職遂行上の基本事項、指導法について習得させ、その資質を高め指導力を向上させることを目的としている。
 研修内容の例(昭和56年度)をあげると、区内めぐり(区内の地理的文化的概観)、港区の教育の概要、港区の児童・生徒の実態と生活指導、学級会活動の授業研究、教師としての服装、水泳実技、水泳指導法、授業研究「道徳」、学級経営のあり方と教務事務、教育相談、カウンセリング実技、国語授業研究(指導案のたて方発問、板書)、港区の港湾施設の巡検、心身障害児教育の授業研究、研究保育(記録と観察)、授業研究(教育機器の活用)、授業研究(学習のまとめ、評価のしかた)、講演「人権尊重の教育と幼児、児童、生徒」などである。
 
■教職経験者研修会
 教職経験6年次者を対象として、教育活動の諸問題について研究協議し、その認識を高め指導力の向上を図ることを目的に昭和57年に年間6回の研修を行った[注釈9]。参加者は延べ147名であった。
 教務研究協議会、生活指導協議会、進路指導協議会、幼稚園教育協議会はかつてはそれぞれの主任研修会であったが、昭和55年度ごろから連絡調整的機能をもつ協議会になった。その主な協議会の内容は次のとおりである。
 
■教務研究協議会
 昭和40年代初めから53年ごろまでは、教務主任、学年主任をあわせ主任研修として実施されていたが、その後、教務研究協議会となり宿泊研修も行われるようになった[注釈10]。年13回程度、学校運営を円滑にするため教務関係の具体的諸問題を協議し解明することが目的で、区立各小中学校から1名宛参加、校長代表、教頭代表が委員長、部長になり協議が進められている。
 
■生活指導協議会
 年13回、昭和46年ごろから生活指導主任研修会として継続実施されてきたが[注釈11]昭和56年から生活指導協議会となり、区内児童、生徒の校内校外生活の実態を把握し、生活指導上の問題を発見し、その対策をはかることを目的として、研究協議を行ってきた。宿泊研修の場合は、各校のかかえている問題の指導事例を中心に研修が行われている。また進路指導協議会も年4回行われている。
 
■幼稚園教育協議会
 年13回、この会は以前から年4、5回行われた幼稚園主任研修会がはじまりで、昭和55年から改称され年1~3回幼稚園における組織運営並びに保育指導の効率を高めるために研究協議を行っている。
 
■教科、領域別研修会[図6]
 教科、領域に関する研修会や課題別研修会は、昭和60年現在実施されているもので、このうち学校事務、幼児教育、水泳指導等は昭和43、44年から、道徳教育は45年から[注釈12]、教育相談は46年から[注釈13]、つづいて同和教育、安全教育は49年からはじめられ[注釈14]、継続して行われてきている研修会である。その他の研修会は50年代になってはじめられた。

[図6]教科、領域別研修会、課題別研修会等〔昭和57年度実施〕