港区教職員厚生会[注釈17]

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 この会は港区の教職員の福利厚生を図ることを目的としてつくられた会で、港区立小・中学校及び幼稚園に在職する教職員と区教育委員会の職員のうち、この会に関係ある役職のある者並びに都教組港支部に勤務する職員でこの会に関係する書記で組織されている。
 この会は主として、共済給付に関すること、厚生資金の貸付・住宅資金の貸付・福利厚生に関する事業を行っている。この会は発足以来これまでに6回会則が改正されている。改正点は主に会費の徴収額の改正で、例えば昭和33年(1958)3月会費100円が45年には200円に増額し、49年4月には300円、52年には500円と増額、現在は56年3月以来千円に増額となっている。いずれも物価の変動にともない改正されたものと考えられる。次に厚生会が行っている給付活動についてあげてみよう。
 
■共済給付
 厚生会は会員が結婚した場合、結婚祝金もしくはその配偶者が出産した場合は出産祝金を、会員の子が就学の際は就学祝金、義務教育終了の場合や高等学校卒業の場合、義務教育終了祝金、高校卒業祝金を会員の災害・傷病にはそれぞれ見舞金を、会員・配偶者・父母・養父母・配偶者の父母の死亡の際は弔慰金を、会員が会を脱退する場合は餞別(せんべつ)金を給付している。この給付規程も13回改正されているがこれは給付額の改正や適用に関する規定の改正によるためである。
 
■厚生資金の貸付
 この貸付は会員が災害・疾病(しっぺい)・葬祭・結婚・出産その他で多額の費用を要し、貸付の申し込みをしたとき、資金を貸し付けるものである。
 
■教職員住宅資金の貸付
 この制度は会員が住宅を新築・増改築・修理購入する場合、または敷地の購入・付帯工事・借受の権利金などに資金を必要とする場合に貸しつけるものである。
 
■保養施設の指定
 この会では保養施設の指定や宿泊費の補助を行っている。指定保養施設には期間が1年間のものと、7月下旬から8月末までの夏季施設と12月下旬から3月末までの冬季施設がある。夏季施設と冬季施設については利用者の意見などを参考に毎年契約を更新する。
 保養施設の指定は昭和30年後半ごろから行っている。昭和60年度の指定保養施設は裏磐梯レイクウッドヴイラと湯沢ルーデンスホテル、並びに冬季施設は湯沢グランドホテル、夏季施設は鬼怒川のホテル白河、伊東の山喜旅館、中軽井沢の星野温泉ホテルである。更にこのほか、夏季施設として三浦海岸海の家を借り上げた。
 なお、これらの指定施設に宿泊の場合、会員と同居の家族に対し年間3泊まで補助をしている。
 
関連資料:【文書】教職員 東京都港区教職員厚生会規約