体育施設[図21][図22]

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■体育館
 昭和40年以降この20年間に体育館は小学校で19校、中学校で8校が全面改築を行っている。
 体育館は古くは講堂としての機能を主としたものが多く、その上、本区の場合校地が狭いことも手伝って一般に体育館の面積が狭く、体育の授業は専ら校庭(運動場)で行われていた。本区には昭和40年代までこのような体育館が残っていたが、昭和40年代後半から続々と改築が行われ、近代的な体育館に生れ変わってきた。
 体育館の改築は多くの場合校舎の改築と同時に行われる場合が多い。構造も鉄骨・鉄筋造りで、多くは講堂兼用のため、ステージ付きがほとんどである。中学校のなかで敷地にゆとりのある学校ではホールや格技専用の小体育館付きの体育館もある。また最近は社会教育面での利用が多くなり、そのための出入口、シャワー室、更衣室が多くの体育館についている。

[図21]港区立小学校の施設充実状況・昭和43~60年


[図22]港区立中学校の施設充実状況・昭和43~60年

■プール
 本区の学校プールは昭和初年ごろ設備されたものもあるが(竹芝小・昭和2年、桜小・昭和5年、赤羽小・昭和7年に設置)、多くは第2次世界大戦後に整備された[注釈15]。昭和43年以降にプールの改修を行った学校は小学校19校、中学校で新設2校、改修1校である。本区の場合、学校敷地が狭いためプールの設置が困難で、昭和50年はじめまで隣接学校のプールを借りて水泳指導をした例もある。
 プールの構造・規格は、小学校で長さ25メートル、幅7~8メートル、中学校で長さ25メートル、幅12メートル、6コースとなっている。また本区の場合校地が狭いため次のような型のプールがつくられている。
 
 組立プール   夏季だけ組み立てて使用し、秋には解体し、材料を格納し、プール跡地はもとの運動場として使用する(高陵・三河台各中学校)[図23]。
 屋上プール   校舎または体育館の屋上に設置している(桜川・芝・港南・麻布・東町・氷川各小学校、芝浜中学校)。
 ふたがけプール 運動場の一角に埋込んだプールに、プール使用季節以外はふたをして運動場として利用する。ふたの上面には人工芝などを張りつけている(竹芝・神明・白金・筓(こうがい)・青南各小学校)[図24]。

[図23]組立プール〔高陵中学校〕


[図24]ふたがけプール〔白金小学校〕

 なお、プールの材料の素材から分けると次のようなプールもある。
 
 鋼板プール   プールの内壁に鋼板を使用する(竹芝・神明・白金・南海・筓各小学校、港中学校)。
 アルミプール  プールの内壁にアルミ板を使用している(桜川・芝・御田(みた)・港南・東町・青山各小学校)。
 FRP製プール プールの内壁にガラス繊維と強化プラスチックを混合した材料を使用している(麻布・氷川・青山各小学校、芝浜中学校)。
 
 以上のことから、狭い校地の有効利用に構造や材料などの面でいろいろ工夫されていることがわかる。
 
関連資料:【図表および統計資料】教育行政 区立小学校増改築等の状況
関連資料:【図表および統計資料】教育行政 区立中学校増改築等の状況
関連資料:【文書】教育行政 <参考>区立学校施設建設概況(昭和後期)
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関連資料:【学校教育関連施設】