施設の概要は[図7]のとおりであるが、都区内では最大級の規模を誇るものであり、建設当初は、他区市などからの見学者が絶えなかったという。
この青年館の大きな特徴は独立した施設として位置づけられていたことであり、社会教育課の所管を離れていたことである[注釈11]。このことは他区には例をみないことであった。
[図6]港区青年館
開館に伴い、青少年対象の事業は格段に整備拡充されるところとなったが、青年館主催事業として、43年度は、茶道・コーラス・華道・英会話・ギター・絵画などの教室の他に、合唱団(少年、一般)などの勉強会、青年のつどい、映画会などの催し、また別館スポーツホールにおける卓球・美容体操などの教室も開設された。
[図7]港区青年館施設概要
40年代における利用者の推移を見ると、43年度は7万4180人であったが、年々増加し47年度には9万4679人に達した。その後は、平均して8万人台で推移し現在に至っている。利用別に見ると、団体利用は当初1万1069人で、その比率は約15パーセントであったが、49年度では1万5892人(18パーセント)となり、青年館の存在が周知されていったことがわかる。なお図書室を設置しているため、個人的な利用者が多いことも特徴で、平均して年間1万5千人程度の来館者があった。その他の利用者は講座など主催事業への参加者である。
■青年館利用者連絡会
利用者相互の連携と親睦を図る目的で昭和43年12月に結成された。「青年のつどい」の運営、「青年のひろば」の発行などに積極的に取り組み、年を重ねるにしたがい「若人の祭典」等手がける事業も多くなった。また、青年館利用にあたっての調整機能を大いに発揮した。
ちなみに50年度における連絡会の構成団体は61団体を数え、青年館講座から発展した自主グループ、青年学級の自主グループ、地域の趣味同好サークルなど多彩であった。