(1) 区立中学校の魅力発見

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 第3節における中学校教育の再編は、第2節とほぼ同じ構造の中で変化している。ただし平成期の中学校教育の特殊事情として、港区は多くの私立中学校を擁している点を指摘することができよう。港区では、小学生の私立中学校受験が昭和期から盛んだったが、平成期において一層増加することになった。この私立受験ブームが、平成8年(1996)までの学齢期人口の減少と相まって、区立中学校への進学減を加速させる結果を招くことになった。
 故に、中学校の再編においては、統廃合をどのように進めるかに加えて、区立中学校の魅力をどのように高めるか自体が課題となり、平成5年度に「特色ある中学校教育についての調査会」を設置し、「特色ある教育課程の編成と実施」、「地域に根差した中学校を目指して」を骨子とする提言が作成された。その後、港陽中学校における2学期制、理科教育・情報教育・図書館教育・キャリア教育・防災教育など、さまざまな教育の充実が図られていった。
 
関連資料:【文書】中学校教育 特色ある中学校づくり(平6 調査会報告書)