第7節では、教育行政改革について取り上げている。平成期の教育史の特徴は、行政主導の改革が継続的に行われた時代である。故に平成期の教育史の全体を知りたいという読者には、まずこの第7節から読んでみることをお勧めしたい。
当該時期の教育行政改革の全国的特徴として、①政府の地方分権改革の流れを受けて、地方自治の独自性が高まり、区が体系的に構想・計画などを整備し、それに沿って改革を展開したこと、②行政の新たな意思決定システムが整備されたこと、③教育特区の活用により国の規制に縛られない改革が可能になったこと、などが挙げられる。以下、港区に即して略述しておきたい。
まず、港区では昭和50年(1975)以降、平成2年(1990)、平成14年の3次にわたる見直しを重ねてきた「港区基本構想」があり、その下位に「基本計画・実施計画」がある。教育に関する施策目標についても、基本構想・基本計画に書き込まれ、基本計画の下位として、生涯学習推進計画などが立案・実行されていくこととなった。
関連資料:【文書】教育行政 東京都港区基本構想[平成2年4月刊]
関連資料:【文書】教育行政 港区基本構想[平成14年12月刊]