公私立幼稚園での施策

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■3年保育
 私立幼稚園では、長年にわたり3年保育の実績が積まれていたが、区立幼稚園では行われていなかった。しかし、平成10年(1998)の「区立幼稚園配置計画の基本方針」で私立幼稚園と協議を行い、平成11年度から中之町幼稚園で3年保育が試行された。また、将来的には6園程度で実施するという方針も示された。
 その後、平成17年の「区立幼稚園配置計画の取り組みについて」では、3年保育を実施できる区立幼稚園を増やすよう、私立幼稚園と協議を進める方針が示され、平成20年には、試行の成果と課題を生かし、にじのはし幼稚園でも実施された。さらに、平成21年度には白金台幼稚園、平成23年度には芝浦幼稚園、高輪幼稚園、港南幼稚園でも開始された。
 なお、「魅力ある区立学校づくりのためのアンケート調査報告書」(平成19年1月)のアンケート結果では、2歳児の保護者の64・2パーセントが幼稚園の3年保育を「利用したい」と回答した。
 その後、各園の教育活動や施設環境、地域の状況などを考慮し、安全面の環境整備をしながら、新規受け入れ園の拡大および定員増を行い、平成27年度以降は区立幼稚園12園のうち10園が3年保育を実施している。
 
■子育てサポート保育
 平成12年(2000)から施行の幼稚園教育要領(平成10年告示)において、幼児期の教育支援に努めるよう、幼稚園の通常の教育時間の終了後などに希望する者に行う教育活動として、預かり保育に関する規定が定められた。港区内の区立幼稚園でも、平成14年9月から高輪幼稚園、にじのはし幼稚園で、預かり保育である「子育てサポート保育」が実施された。
 魅力ある区立学校づくりのためのアンケート調査報告書では、2歳児の保護者の62・6パーセントが、また4歳児の保護者の61・0パーセントが、子育てサポート保育を「利用したい」と回答している。
 その後、平成17年の中央教育審議会答申「子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について」や、学校教育法、幼稚園教育要領(平成20年告示)においても、預かり保育について述べられ、平成21年策定の「港区幼児教育振興アクションプログラム」では、公私立幼稚園で預かり保育を充実させる方針が示された。
 子育てサポート保育の実施園は、平成27年度は5園、平成28年度は8園と順次拡大され、令和元年度には全区立幼稚園12園で実施されるようになった。園児が保育時間後も園で安心して過ごし、家庭との連携を行いながら健康な心と体を育てる観点からも、適切な支援として定着している。
 
関連資料:【文書】教育行政 魅力ある区立学校づくりのためのアンケート調査報告書(平成19)
関連資料:【文書】教育行政 区立幼稚園配置計画の基本方針(平成10)
関連資料:【文書】教育行政 港区幼児教育振興アクションプログラム[平成21年3月刊]
関連資料:【図表および統計資料】学校教育 子育てサポート保育の利用人数
関連資料:【学校教育関連施設】