子どもと社会環境の変化

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■環境の変化
 港区の人口は昼に多く、夜に少ない。「国勢調査による総合支所別・町丁目別面積、昼夜間人口等」(『港区行政資料集』平成30年度版)によると、平成27年(2015)における区の昼間人口は94万785人だが、夜間人口は24万3283人である。麻布、青山などの住宅地よりも、芝地区、新橋地区、愛宕地区、虎ノ門地区などの商業地域で、この傾向は顕著に見られる。もともと港区はビジネスに好適な立地条件を備えていたことに加え、一般区民の生活区域だったところに企業のオフィスビルが進出した結果である。
 
■住宅環境の変化
 港区は、住宅環境の変化も大きかった。高度経済成長期には住宅だった場所に商業ビルの建設が始まり、街が大きく変化した。平成期に入ってからもその流れは変わらず、多くの商業ビルや高層住宅の建設が続く。その結果、住民が区外に転居し、住民減少となったり、大きな高層住宅が増えて住民増加となったりもした。区の幼児数の変化は、この住宅環境の影響を受けたといえる。また、時代とともにライフスタイルの変化も重なり、住宅環境は子育て環境にも影響をもたらした。
 
■子どもの遊びの機会
 「港区における子どもと子育て家庭の生活と意識に関する調査報告書」(平成26年2月)では、近所で他の子どもと遊ばせる頻度について調べている。それによると、「ほぼ毎日」は10・6パーセント、「週に2~3回」は19・0パーセント、「月に3~4回」が26・5パーセント、そして「ほとんどない」が42・0パーセントに上る。
 また、「近所で他の子どもと遊ばせる」と答えた人のきっかけは、「保育園や幼稚園を通して親しくなった」が49・6パーセントと最も多い。続いて、「両親学級やうさちゃんくらぶなどで親しくなった」が31・6パーセント、「近所や公園で子どもを連れているときに出会った」が31・5パーセントである。保育園、幼稚園、両親学級やうさちゃんくらぶなど、行政が関与している施設での出会いが「他の子どもとの遊び」のきっかけになっていることがうかがえる。
 
関連資料:【文書】幼児教育 港区における子どもと子育て家庭の生活と意識に関する調査報告書