保育・幼児教育の変容

79 ~ 81 / 432ページ
■待機児童数の推移
 待機児童の数は、とりわけ平成18年(2006)から大幅に増加し、平成17年には39人であったが、平成22年には274人にまで増えた[図22]。その後、区立認可保育園の改築、私立認可保育園の誘致、港区保育室の整備などにより、平成27年には30人にまで減少した。しかし、再び増加に転じ、2年後には164人に達する。
 区は、平成29年4月に待機児童緊急対策を定め、定員千人を確保することを決定し、保育定員の拡大に取り組んだ。そして、2年間で1168人の定員拡大を行い、平成31年4月には待機児童数は0となっている。

[図22] 港区の待機児童数の推移
出典:「港区区長記者発表資料」平成31年4月25日

■保育・幼児教育へのニーズの多様化
 「魅力ある区立学校づくりのためのアンケート調査 調査報告書」(平成26年度)によると、幼稚園に通わせる保護者にその園を選んだ理由を質問したところ、区立幼稚園に通わせる保護者の場合は「自宅に近いから」「保育料や経費が安いから」が多い。一方、私立幼稚園に通わせる保護者の場合は「幼稚園の教育・保育方針や内容が良いから」「3年保育があるから」が多い。保護者のニーズにより幼稚園を選択していることがうかがえる。
 保育園では、保育の長時間化が起こっている。令和元年度(2019年度)の認可保育園の保育時間は、標準時間が午前7時15分から午後6時15分までであるが、多くの区立保育園が午後8時15分までの延長保育を行い、芝保育園、神明保育園などは午後10時まで行っている。さらに、神明保育園、しばうら保育園、芝浦アイランドこども園などでは、年末年始を除く日曜や祝日も保育を行う。
 また、「港区子ども・子育て支援ニーズ調査報告書」(平成31年3月)では、幼稚園を利用している保護者に、夏休み・冬休みなどの長期の休暇中の教育・保育事業の利用希望を聞くと、「休みの期間中、週に数回利用したい」が55・2パーセント、「休みの期間中、ほぼ毎日利用したい」が14・1パーセント、「利用希望はない」が27・5パーセントという回答であった。
 保育や幼児教育のニーズは拡大するばかりでなく、多様化していることもわかる。
 
関連資料:【図表および統計資料】学校教育 待機児童数
関連資料:【文書】教育行政 魅力ある区立学校づくりのためのアンケート調査報告書(平成26)
関連資料:【文書】幼児教育 港区子ども・子育て支援ニーズ調査報告書