■少人数指導講師
少人数指導については、もともと少人数学習の一環としてティーム・ティーチングを先行的に実施しており、平成13年(2001)ごろから他の自治体での取り組みを参考に議論を行い始めた。
平成15年度、芝小学校が区研究奨励校に指定され、少人数教育の具体的な取り組みを行った。区費による講師6人を配置し、教科を限定せずに少人数教育を実施した結果、学習内容の定着強化や精神面での配慮ができることなどの報告があり、これ以後、少人数指導が広がることとなる。
平成17年度からは、少人数指導充実のための講師の派遣が始まった。各学級20人程度の少人数授業を行う講師は区で雇用している。その採用についての検討を行った上で、児童数35人以上の小学校全学級に講師を配置した。
平成30年度の少人数指導講師の配当時間(1週間当たりの総時間数)は、1589時間であった。平成21~24年度は1100~1400時間、平成25年度以降は1600時間前後と、増加傾向にある。
また、令和元年度(2019年度)からは、校長の方針に基づいて講師の配置ができるように運用が変更された。
■学習支援員(LSA)
区では、発達障害(LD、ADHD、自閉症スペクトラム障害)など、特別な支援が必要な児童が適切な教育を受けられるように、平成18年度(2006年度)から学習支援員(LSA=Learning Support Assistant)を配置している。
学習支援員は、教育委員会が委託するNPOにおいて、特別支援教育についての基本的な知識と支援の技術を身につけ、通常の学級内の該当児童に対して個別の学習支援を行う。学校や保護者のニーズを踏まえて配置され、授業のねらいや教員の意図を理解した支援が求められている。
学習支援員による総配置時間数は、平成21年度が3万2405時間、平成30年度が4万5960時間と、増加している。
■港区スクールボランティア(MSV)
港区スクールボランティア(MSV)事業は、特色ある教育やきめ細かい指導の充実を図ることを目指して、平成15年度(2003年度)に設定された。教員を目指している、または教育に関心をもつ大学生や大学院生が、区立の幼稚園・小学校・中学校で活動している。
学生ボランティアは、校長の指示に基づき、授業中や放課後の学習の補助や、特別な支援を要する児童の見守りなどを行っている。学生にとっては学校現場を体験できるよさもある。
小学校で活動するボランティアの人数は毎年20~30人程度で、平成30年度は18人であった。
関連資料:【図表および統計資料】学校教育 学習支援員の配置時間数
関連資料:【図表および統計資料】学校教育 スクールボランティア/幼稚園アシスタント配置人数