遠足と校外学習

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■遠足
 遠足は平成年間を通じ、各校とも大半は春または秋に実施してきた。実施時期に変化はないが、行き先や実施形態は平成前期と平成後期で変化した。
 平成8年度(1996年度)に港区教育研究会学校行事研究部が実施した「遠足に関する調査 校外学習に関する調査」によると、行き先は葛西臨海公園(6校、3・4年生)、鎌倉(5校、5・6年生)、高尾山(4校、5・6年生)、横浜つくし野コース(4校、3~6年生)、平和の森公園(3校、1~6年生)、横浜・野毛山動物園(3校、1~4年生)など多彩で、26カ所に及んでいた。
 一方、平成30年度に各小学校が実施した遠足の行き先は、確認できた限りで15カ所であった。低学年は上野動物園、しながわ水族館、林試の森公園などが多く、中学年は平和の森公園フィールドアスレティックや葛西臨海公園を行き先に選んだ学校が多かった。高学年は多くの学校が鎌倉に出かけていた。
 また、平成30年度には、異学年が交流する「縦割り」活動として全児童で遠足に出かけるケースや、1・2年生合同、2・3年生合同での遠足を実施する学校も増えた。麻布小学校は5月に全校で林試の森公園、御成門小学校は10月に全校で芝公園、筓(こうがい)小学校は10月に全校で新宿御苑への遠足を実施している。
 
■見学 学習活動に伴う見学(観察)
 学習活動に伴う社会科見学、理科観察などの活動場所には、平成前期と後期では顕著な変化が見られる。
 平成8年度(1996年度)に港区教育研究会学校行事研究部が実施した「遠足に関する調査 校外学習に関する調査」によると、平成8年度の区立小学校の、主な校外学習の活動場所は以下の通りであった。
 生活科……高輪公園、有栖川宮記念公園、多摩川台公園、平和の森公園、郵便局
 社会科……通学区域(商店街、寺社など)、製糖工場、自動車工場、製菓工場、印刷所、区立図書館、水処理センター、清掃工場、都庁、消防署、警察署、科学館、博物館、水族館、国会議事堂、新聞社・テレビ局
 理科……高尾山、プラネタリウム
 平成8年度の校外学習の見学地や活動場所は、昭和期の定番を受け継ぎ、低学年は近隣の公園や通学区域が多く、中・高学年は、都内の工場や警察署、消防署、国会議事堂、新聞社、プラネタリウムなどであった。
 一方、港区教育委員会への校外学習実施届によると、平成30年度に各小学校が実施した校外学習では、定番の見学地を受け継ぎながらも新たな活動や活動場所が見られる。高齢者施設や保育園・幼稚園、中学校、特別支援学校などで「総合的な学習の時間」が実施されたことの影響が大きいと推察される。
 平成前期には見られなかった主な活動や活動場所は以下の通りである。
 総合的な学習の時間・特別活動……地域の清掃ボランティア活動(麻布小学校)、「芝浦クリーン大作戦」(芝浦小学校)、田植え(青南小学校、南山小学校)、稲刈り(南山小学校、青南小学校)、「たてわり班活動」(御田(みた)小学校)、幼稚園・保育園交流(高輪台小学校)、中学校交流会・体験授業など(高輪台小学校、本村小学校、筓小学校など)、高齢者施設(白金の丘学園白金の丘小学校、芝浦小学校)、特別支援学校との交流会(青山小学校)、保育室見学(芝浦小学校)、落書き消し(南山小学校)、街頭募金活動(筓小学校)、職業体験(芝小学校)
 社会科……スーパーマーケット(白金の丘学園白金の丘小学校、東町小学校、筓小学校、赤坂小学校、芝浦小学校、青南小学校、高輪台小学校、赤羽小学校)
 国際科・英語活動……英語体験・TGG東京英語村(お台場学園港陽小学校)、ハロウィンパレード(芝小学校)
 
関連資料:【文書】小学校教育 生活科の指導計画(麻布小学校 平7)