港区教育研究会小学校教育研究会

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 港区教育研究会は教員による研究団体で、その概要は第6節第2項(通史編⑨)に詳述する通りである。研究会は幼稚園教育研究会、小学校教育研究会、中学校教育研究会で構成され、それぞれに各教科や図書、道徳、児童文化、給食などの業務や活動の研究部を置き、毎年テーマを定めて研究し、その成果を冊子で公表している。
 
■平成前期
 「個を生かす教育」では、「ひとりひとりを大切にした学級経営」(平成元年、学級経営)、「心にひびく音楽を求め自からを高める子どもに育てよう―豊かな創造性を育てる指導、一人ひとりの個性や感性を生かし育てる学習―」(平成2年、音楽)、「一人一人のよさをみつけ、その可能性を伸ばす造形活動の追求」(平成4年、図画工作)、「個をみつめた指導のあり方」(平成10年、心身障害教育)などの研究を行った。
 主体性の涵養(かんよう)に関連するところでは、「主体的な読み手を育てる指導」(平成5年、国語)、「主体的に読書活動に取り組める子の育成」(平成9年、図書)などの研究が実施され、豊かな心の育成に関連し「豊かな人間性を育てる授業の創造」(平成2年、児童文化)などの研究も実施された。
 
■平成中期
 基礎・基本の関連では「一人一人を生かすための基礎基本の充実を目指して」(平成11年、国語科)、「書く力の基礎基本の充実を目指して」(平成15年、国語科)などが行われた。生きる力については、「自らの見方・考え方を深めることができる児童の育成」(平成11年、社会科)、「生きる力をはぐくむ保健指導」(平成12年、保健)、「生きる力をはぐくむ学級活動」(平成13年、特別活動)などの研究が行われた。総合的な学習の時間についても「総合的な学習の時間における課題解決学習の在り方」(平成15年、生活科・総合)、「豊かな生活を作る子―自分とのかかわりを深める指導の工夫―」(平成17年、同)などの研究を実施した。
 
■平成後期
 平成20年(2008)改訂の学習指導要領で、小学校に外国語活動が導入されることとなった。また、それに先立ち、平成18年には教育特区を活用して、小学校で簡単な英会話を学んだりする港区独自の「国際科」の授業も開始され、小学校教育研究会には「国際科研究部」が発足した。こうした教育環境の変化を受け、平成後期には、外国語活動に関する研究が盛んに行われた〔第2節第3項(1)179ページを参照〕。
 国際科研究部は、平成20年度に「楽しく活動しながら国際コミュニケーション能力を育成する指導法の工夫」、平成24年度に「楽しく活動しながら実践的コミュニケーション能力を育成する指導法の工夫」などの研究を実施した。
 また、平成後期には「情報化」が著しく進展した。そうした社会情勢の変化を受け、視聴覚研究部は情報化社会に生きる児童の教育について研究し、平成20年度に「情報化社会を豊かに生きる子の育成―情報モラル学習の小中の連携―」を、平成22年度に「情報化社会を豊かに生きる子の育成~機器の活用、コミュニケーション能力の育成、情報モラル学習の小中の連携~」をテーマに研究を行った。
 
関連資料:【学校教育関連施設】