学力テスト

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 文部科学省は平成19年度(2007年度)から、小学6年生と中学3年生の全児童・生徒を対象として、毎年「全国学力・学習状況調査」を実施している。
 東京都は平成15年度から中学2年生を、平成16年度からは小学5年生を対象に「児童・生徒の学力向上を図るための調査」を実施している。
 港区は平成16年度から業者に委託し、対象学年を広げて別途、学力調査を実施している。
 
■全国学力・学習状況調査
 全国的な学力テストは1960年代に「全国中学校一斉学力調査」として数年間実施されていたが、学校や地域間の競争の激化を助長するとの批判を受けて昭和39年(1964)を最後に中止されて以降、実施されていなかった。
 しかし、国際機関の経済協力開発機構(OECD)が平成12年(2000)から開始した加盟国の学生の学習到達度を調査する国際学力調査(PISA)で、平成15年に日本の小・中学生の学力が諸外国との比較で低下していることが明らかになったことを契機として、平成19年度に「全国学力・学習状況調査」として、43年ぶりに全国的な学力テストが復活した。
 調査対象は当初、小学6年生、中学3年生の全児童・生徒だったが、平成22年度からの5年間は抽出・希望方式で実施し、平成27年度から再び全児童・生徒が対象となった。当初の実施教科は、小学校は国語・算数、中学校は国語・数学で、平成24年度からは3年ごとに理科の調査も実施することとなった。また、令和元年度(2019年度)から中学生の調査で英語が開始された。各教科はA問題=主として知識に関する問題、B問題=主として「活用」に関する問題で構成されていたが、令和元年度から、A・Bの区別はなくなった。
 全児童調査を再開した平成27年度から、A問題・B問題を区別して出題していた平成30年度まで4年間の港区立小学校の調査結果を[図44]に示す。

[図44] 全国学力・学習状況調査、港区学力調査
※港区教育委員会事務局作成
*数値は「全国学力・学習状況調査」から抜粋
*単位はいずれも平均正答率(%)
 
 
 平成27年度から同30年度まで一貫して、港区立小学校児童の平均正答率は都および全国の平均をいずれも大きく上回った。ことに算数のB問題では、4年連続で全国平均を10ポイント前後上回る好成績だった。
 
■東京都学力調査
 東京都教育委員会は、国の全国学力・学習状況調査に先駆け、中学校では平成15年度(2003年度)から、小学校では平成16年度から「児童・生徒の学力向上を図るための調査」を開始した。平成23年度からは、公立小学校の5年生と中学校の2年生の全児童・生徒を対象とし、小学校は国語、社会、算数、理科、中学校は国語、社会、数学、理科、英語で、ペーパーテスト方式による学力調査の他、児童・生徒と学校を対象としたアンケート調査も実施している。
 都教育委員会は平成27年度から各科目に習得目標値と到達目標値を設定し、習得目標値未満の児童・生徒の割合、到達目標値達成の児童・生徒の割合を算出し、都全体と各市区町村のデータを公表している。
 
■港区学力調査
 港区は平成16年度(2004年度)から、国や東京都の学力調査に加え、区としての「学力調査」も実施している。国の学力調査は小学6年生・中学3年生、東京都では小学5年生・中学2年生と、一部の学年のみが対象となっているが、港区ではその他の学年にも導入されている。試験問題や調査は業者に委託しているため、全国平均との比較が可能であり、『港区学校教育推進計画』(平成30~32年度)でも、おおむね全国平均を上回る結果が出ていることが示されている[図45]。
 港区学力調査の結果を基に、各学校は小学2年生から中学3年生まで、それぞれの学年に応じた各教科の授業の改善推進プランを作成し、各学校が組織的に授業改善に取り組んでいる。

[図45] 港区学力調査結果
※港区教育委員会事務局作成
*単位はいずれも平均正答率(%)

関連資料:【文書】教育行政 港区学校教育推進計画[平成30年3月刊]