■総合型地域スポーツクラブ(スポーカル)
総合型地域スポーツクラブとは、文部科学省が平成7年度(1995年度)から推奨している生涯スポーツ社会実現のための取り組みの一つである。内容は多種目、多世代、多志向の三つを軸として、地域住民が主体的に地域のスポーツ環境を形成する新しい公共の実現を目指すものでもある。つまり、住民の健康向上・維持と、地域コミュニティの形成を目的としている。
港区には「スポーカル」という名称で、「スポーツ」と「カルチャー」の双方を楽しめるクラブとして平成19年に第1号となるスポーカル六本木が設立された。平成25年にはスポーカル高松が設立されている。スポーカルの運営主体は地域住民であり、特徴の一つとして、活動拠点が区内の学校であることが挙げられる。スポーカル六本木は六本木中学校を拠点に、麻布小学校、南山小学校、東町小学校、都立六本木高等学校を活動場所としている。スポーカル高松は高松中学校を拠点に、白金小学校、高輪台小学校が活動場所となっている。
学校が拠点であることで児童・生徒も参加しやすく、また年代の異なる地域の人々とも交流できるため、子どもの心身の成長によい影響を与えていると考えられる。
■スクールカウンセラーらによる心のサポート
義務教育期間は学業のみならず、児童・生徒の心の成長を支える期間でもあり、その面で小・中学校は大きな役割を担っている。そのため、国はスクールカウンセラーの配置に注力してきた。
スクールカウンセラーは平成7年(1995)、当時の文部省により全国の小・中学校、高等学校に各1人ずつ配置されたものである。平成13年からは、「スクールカウンセラー活用事業」が展開され、各校でカウンセラーを配置するための支援を行うようになったため、カウンセラー配置校、拠点校が増加し、平成18年には全国約1万の小・中学校、高等学校に配置・派遣を行うようになった。
港区では平成17年度より各小・中学校に週1日以上、スクールカウンセラーを配置している。幼稚園には月2回、教育センターの来所相談員がカウンセラーとして来園している。スクールカウンセラーには区により配置された者と、都教育委員会から配置・派遣された者がおり、都スクールカウンセラーは、小学5年生、中学1年生、高校1年生に対し、全員個別面接を行っている。これは「いじめ総合対策」に基づくものである。
また、スクールソーシャルワーカーについては「港区小中学校スクールソーシャルワーカー派遣事業」により、必要に応じて派遣する形を取っている。対応は、休日、夜間を問わず可能で、個別の家庭訪問も行うことができる。
スクールカウンセラーは学校での悩みや不安、いじめなどの解消や未然防止などに力を尽くすが、このような問題は家庭環境などとも絡み合っている場合が多い。その際に、福祉の視点を持って介入するのがスクールソーシャルワーカーである。
両者は連携し、さらに学校・教員・家庭と、場合によっては児童相談所や自治体ともつながりながら、児童・生徒にとって最良の解決を目指すものである。
関連資料:【図表および統計資料】学校教育 スクールカウンセラー配置日数
関連資料:【図表および統計資料】学校教育 スクールソーシャルワーカー派遣件数