その他

272 ~ 273 / 432ページ
■港陽中学校の2学期制の試行
 特色ある中学校教育の事例として、小中一貫教育校へ移行する前の港陽中学校の取り組みを紹介する。
 平成14年度(2002年度)から19年度までの6年間、港陽中学校は2学期制を実施した。2学期制は平成13年度に滋賀県栗東市の小学校や仙台市の小・中学校(試行)が初導入し、その後、全国に広がった。文部科学省の調査では平成25年度に公立小学校の20・9パーセント、公立中学校の20・0パーセントが2学期制を採用していた。
 2学期制には、始業式・終業式などの行事や、試験、評価業務が減るため、①教員の負担が軽減される、②年間を通して教育にゆとりが生まれる、③夏休みなどの長期休暇の後に試験が実施されるため、休暇中の生徒の学習意欲を維持することができる、などの利点がある。一方で、①部活動の大会など、3学期制を前提に実施される行事が中間試験や学期末試験と近接し、生徒の負担になる、②学習評価が年2度に減る、③不安を抱く保護者がいる、といった課題が指摘されている。
 港区では港陽中学校が唯一、2学期制を導入した。しかし、前述の通り、2学期制にはデメリットも多かったため、6年間の採用の後、再び3学期制に移行した。
 第2節第2項(1)142ページを参照。