平成10年12月には、港区心身障害教育検討委員会が「港区心身障害教育検討委員会報告」を提出しており、その中で心身障害教育の実施状況と課題が示された。同報告は「不登校対策について」「通常の学級に在籍する障害のある児童・生徒について」「就学相談体制について」「心身障害学級の在り方・改善策について」の4項目から構成されており、当時は不登校児童への対応も心身障害教育の対象だったことがうかがえる。
また、平成15年の教育目標の改定時には、先の教育目標から「心身に」の表記が抜け、従来の心身障害教育の対象者に限らない、発達障害もその対象に含めた特別支援教育への転換の土台が作られた。平成15年度時点における区の心身障害教育は、小学校6校・中学校2校に「心身障害学級」が設置されており、知的障害、肢体不自由の児童・生徒には「固定学級」にて、言語や聴覚、または情緒的に障害があるとされる児童・生徒には「通級指導学級」にて教育が行われていた。平成期の心身障害学級の設置状況と在籍児童・生徒数の推移は[図1]の通りである。
[図1] 心身障害学級(現・特別支援学級)の設置状況と児童・生徒数の推移
出典:『港区の教育』昭和63年度版~平成24年度版、『港区行政資料集』平成25~30年より作成
*各年度5月1日現在
関連資料:【文書】教育行政 東京都港区教育委員会の教育目標(平成9~16年度)
関連資料:【文書】特別支援教育 心身障害児理解教育の推進(港南中学校 平5・6)
関連資料:【図表および統計資料】学校教育 児童数(小学校)
関連資料:【図表および統計資料】学校教育 生徒数(中学校)