区では、昭和48年(1973)4月に通級による情緒障害学級(つぼみ学級)が氷川小学校に開設された。その後、昭和59年4月に南海小学校に移設。平成12年度(2000年度)には南海小学校と旧御田(みた)小学校が統合されたことから東町小学校に移設され、情緒障害等通級指導学級として指導が行われていた。
『つぼみ学級 学級要覧』(平成4年度)によると、つぼみ学級の対象児は「港区在住の学齢の情緒障害児」であり、ここに「学習障害」の文字は見られない。しかし、平成10年度以降、入級対象児童として「学力にアンバランスなところがあり、部分的に理解困難なところがある」が加わっていることから、このころから学習障害に対する認識が定着したものと考えられる。
[図12]を見ると、平成元年度から11年度までの南海小学校に設置されていた期間は、通級児童数は4~16人で推移し、東町小学校に設置された平成12年度から24年度の間の通級児童数は10~16人で推移している。
[図12] つぼみ学級の児童数の推移
出典:『港区の教育』昭和63年度~平成23年度版、『港区行政資料集』平成24~30年度より作成
*各年度5月1日現在
平成28年度に全区立小学校に特別支援教室が設置されたことから、つぼみ学級は同年度の受け入れを停止し、平成30年度を最後に特別支援教室へ移行された。
■指導形態
つぼみ学級の開設当初は、極端な不安や恐怖を示す児童の心の安定を図るため、個別指導と小集団指導の二つの指導形態を取り入れた。平成16年度(2004年度)に指導方針が大きく変わり、「情緒面で課題がある・自閉的な傾向がある・在籍学級の学習におおむね参加できる」児童を対象に、通常学級への適応を目的とした指導が進められるようになった。指導形態に大きな変化はなく、平成30年度まで継続した。
関連資料:【学校教育関連施設】