区では、昭和47年(1972)10月に言語障害通級学級(ことばの教室)が、昭和52年に難聴通級学級(きこえの教室)が桜田小学校に開設された。昭和57年にはことばの教室に34人、きこえの教室に5人の児童が通級。平成元年度(1989年度)には、ことばの教室に1学級19人、きこえの教室に1学級4人の児童が通級していた。平成3年に鞆絵(ともえ)小学校、桜田小学校、桜小学校が統合し、新たに御成門小学校になったことで、同校にことばときこえの教室として移設された。
平成3年度から30年度の通級児童数は、ことばの教室で1学級9~35人である。きこえの教室は1学級1~6人で推移している。
[図13] ことばの教室の児童数の推移
※港区教育委員会事務局作成
*各年度5月1日現在
[図14] きこえの教室の児童数の推移
※港区教育委員会事務局作成
*各年度5月1日現在
■指導形態
ことばの教室・きこえの教室では、次の①~④のような特性のある児童を対象として指導を行っている。
①正しい発音・発声ができない
正しく発音できない/幼い話し方をする/言葉がはっきりしない/鼻にかかったような声になる
②言葉がスムーズに出ない
話し始めが詰まる/音を繰り返す/言葉のリズムがなめらかでない/言葉がなかなか出てこない
③会話がうまくできない
知っている言葉、使う言葉の数が少ない/指示の内容を取り違える/筋道を立てた話し方ができない/会話のやりとりがうまくいかない
④人の声がよく聞こえない
補聴器や人工内耳を装用している/聞き逃し、聞き返し、聞き誤りがある/聞こえにくいことにより、行動が遅れる
ことばの教室・きこえの教室は、在籍学級で学習しながら週1回程度、決められた日時に通級し、一人ひとりの状態や能力に応じた個別指導を行っている。必要に応じてグループ指導も行う。
また、在籍学級訪問などを通して在籍学級担任との連絡を密にしている。必要に応じて医療・心理・教育の分野の専門家の診断を受けて指導の充実を図っている。
ことばの教室では、発音の練習(①正しい発音と誤った発音を聞き分ける、②息の出し方や舌の動きをよくする)や、話し言葉のリズムの学習(①好きな遊びをしながら言葉で楽しくやり取りする、②話しやすい速さや読みやすいリズムを身につける)などを行っている。
きこえの教室では、聞く力を伸ばすため、文章の聞き取り練習や補聴器の扱い方の指導を行っている。
なお、平成20年代半ば以降、区内の学校に改めて「ことばときこえの教室」の案内を積極的に行う中で、徐々に通学する児童が増加することとなった。
関連資料:【学校教育関連施設】