モデル事業の実施

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 区ではこの特別支援教室の設置に先駆け、平成20年度(2008年度)に、現在の特別支援教室の原型となるモデル事業を立ち上げ、小学校2校、中学校1校で実施した。
 平成20年度は、東町小学校の情緒障害学級(つぼみ学級)を拠点として、南山小学校と御田(みた)小学校に特別支援教室が設置され、東町小学校の教員2人(3人のうち2人)が輪番制で情緒障害学級巡回指導教員として対象児に個別指導を行った。週1回4時間、特定の曜日に勤務開始時から4校時終了まで在勤。登校時から朝会も含めた観察を行い、友だちとの関わりや集団参加の様子をつぶさに観察し、学習指導に生かした。巡回指導の開始に際しては、保護者への説明を十分に行い、学校長をはじめ校内での話し合いを重ね、理解を得た上で行った。
 1年目の対象児は1人であったが、翌年には複数人になり、巡回指導教員の数も増やして対応した。当時は、教材・教具の準備がまだ不十分であったが、特別なニーズに応じた教材の準備や対象児との関わり方など、児童・生徒のみならず、担任の指導のあり方によい効果をもたらす点でも貢献した。
 平成22年度には、赤坂小学校と神応(しんのう)小学校にも特別支援教室が設置された。赤坂小学校へは学校の要請に応じる形で、1人または2人の教員が巡回訪問を行った。南山小学校、赤坂小学校におけるモデル事業を通して、学習面や行動面で課題のある児童・生徒への教員のニーズが高いことがわかった。指導方法や教材については、翌週に訪問した際にすでに作成され、工夫が加えられているなど、担任、学習支援員、時間講師、学年主任や専科の教員も加わり、学校の総力を挙げての取り組みとなった。
 平成26年度からは芝浦小学校、筓(こうがい)小学校にも特別支援教室が設置された。