特別支援教室の運営形態

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 運営形態は、東京都のガイドラインに基づき、①週1回以上の指導が必要な児童・生徒10人に対し、1人の巡回指導教員を配置する、②巡回指導教員を拠点校に配置する(各学校へは拠点校から教員が巡回して指導する)、という方式を採っている。拠点校と巡回校のグループ分けは特別支援教育の対象児童・生徒の増加に伴って変動する。
 港区でも、令和2年(2020)9月の時点では、小学校の拠点校のうち、4校は巡回校を持たない単独校となっており、7校はそれぞれ巡回校を1校ずつ持つ形式となっている。対象児童が増えた小学校を単独校としたことにより、巡回指導教員が自校の児童の対応に充てられる時間が増加した。中学校では白金の丘学園白金の丘中学校が拠点校となり、他の9校がその巡回校となっている。
 ◎小学校拠点校(巡回校)
  芝小学校
  芝浦小学校
  御田小学校(高輪台小学校)
  白金の丘学園白金の丘小学校(白金小学校)
  港南小学校
  麻布小学校(本村小学校)
  南山小学校(赤羽小学校)
  筓小学校(青南小学校)
  東町小学校
  赤坂小学校(青山小学校)
  お台場学園港陽小学校(御成門小学校)
 ◎中学校拠点校(巡回校)
  白金の丘学園白金の丘中学校(御成門中学校、三田中学校、高松中学校、港南中学校、六本木中学校、高陵中学校、赤坂中学校、青山中学校、お台場学園港陽中学校)
 特別支援教室の指導対象となる児童・生徒は文部科学省通知(※4)により規定されており、指導の時間については「学校教育法施行規則の一部改正等について(通知)」で示されているように、自閉症者・情緒障害者には年間35~280単位時間(週1~8単位時間程度)、学習障害者・注意欠陥多動性障害者には年間10~280単位時間(月1~週8単位時間程度)と標準指導時間が規定されている。
 特別支援教室通室開始までの流れは次の通り。
 ①相談…保護者から学校、または学校から保護者に対して相談する。
 ②保護者同意…学校と保護者で通室について検討する。保護者の希望がある場合、保護者が通室申込書・心理検査申込書兼同意書を学校に提出する。
 ③心理検査実施または結果の確認(保護者、児童・生徒)
 ・心理検査を初めて受検する人(または再検査が必要な人)…提出書類をもとに学務課が日程調整する。
 ・過去に心理検査を受けたことのある人…受検時期・実施機関・結果などを学校に提出する。
  (他の支援が有効と判断された場合)→関連諸機関への紹介。
 ④特別支援教室判定委員会…通室の適否を総合的に判断する。
 ⑤結果のお知らせ…学校を通じて審議結果を保護者に通知する。
 ⑥通室開始…判定委員会は年2回実施し、2学期または新年度からの通室開始が目安となる。通室の継続や日時数などについては判定委員会ごとに見直しを行っている。
 指導対象の基準としては、校内委員会での合意がなされていること、指導による効果が期待されること、知的レベルが一定水準にあることの3点が挙げられている。
 指導内容としては、小・中学校とも自立活動の6項目が該当し、「健康の保持」「心理的な安定」「人間関係の形成」「環境の把握」「身体の動き」「コミュニケーション」となっている。児童・生徒の状況に応じ、個別のみの指導や個別と集団での指導が行われている。
 なお、③は、各小・中学校の校内委員会および教育委員会による判定委員会で決定されるが、通知の前に保護者の同意が前提となる。