平成11年(1999)6月1日に、心理的要因などにより長期間登校できない児童・生徒のための適応指導教室「つばさ教室」が開室した。同年の入室者数は延べ6人。
状況に応じた適切な相談や指導・援助を行い、在籍校への復帰が目的だった。そのため、入室手続きは在籍校を通じて行われ、「つばさ教室」に来室した日数は、在籍校の出席日数にカウントされた。
「つばさ教室」の指導のねらいは主に次の通りである。
①通室する児童・生徒の精神的な安定を図りながら、基本的な生活習慣の定着を図る。
②相談活動を通して、個々の不安や悩みを解消し、生活の意欲化を図る。
③遊びや作業など、体験活動や集団活動を通して自立心を養い、社会性や協調性を育てる。
④児童・生徒の発達段階を考慮した学習を支援し、学習の遅れやつまずきなどの解消を図る。
通常の学校のような時間割はなく、「つばさ教室」の3人の指導員と通室した児童・生徒が相談しながら、その日の活動内容を決めていく。午前中にパソコンや読書、午後に体育的な活動をすることが多く、時には調理学習なども実施する。また、希望によっては教科指導を個別に行うこともある。
開室時間は午前9時から午後4時までとしていたが、全員が同じ時間に集まって活動を始めるということではなく、児童・生徒の気持ちや状態に応じて、開室時間内にいつでも来室できるように配慮している。来室時間が児童・生徒によって異なるため、給食は出さない。昼時を挟んで在室する場合は弁当の用意が必要となる。
令和2年(2020)4月、東麻布の旧飯倉(いいぐら)小学校跡地にあった教室を閉室し、虎ノ門の教育センター4階に移転、開室した。開室時間は午前8時45分となった。