従来、小学校・中学校などの異なる校種の一貫教育を一つの学校で行うことは法律上不可能であった。しかし、学校教育法が改正され、平成11年(1999)4月より中学校と高等学校の、平成28年4月より小学校と中学校の一貫教育を一つの学校で行うことが可能となり、同法の改正以降、全国的に公立の義務教育学校や中等教育学校が新設されていった。
一方で、多くの私立学校は戦前より建学の精神に基づいた教育方針を掲げ、異なる校種間で一貫教育を実施してきた。区内の私立学校も小中高一貫教育や中高一貫教育を実施するなど、多くの学校で一貫教育を掲げている。多くの私立学校は一貫教育を通じて育てたい児童・生徒像が確立されており、それに基づいたカリキュラムが編成されている。平成期に入り、一貫教育はさまざまな法改正を経て導入されてきたが、そこには、私立学校が先行して取り組んできた成果が大きく関係しているといえる。