区立小・中学校に勤務する教員には、いくつかの勤務形態があり、児童・生徒に対してきめ細かい教育を行っている。
文部科学省の学級編制の方針を受けて、港区でも平成16年度(2004年度)より、小学校の新入生が新しい環境に適応できるよう、小学校1学年の1学級40人の定員を35人とし、小1問題(小1プロブレム)への対応をしている。芝小学校では、平成16年度から各学級に担任と副担任を配置した指導を行っていた。すべての教育活動において常に二人の担任が子どもに関わることとなった。
また、都教育委員会が学力向上を目的として公立の小・中学校に配置している「少人数指導講師」および「コース別指導講師」については、港区でも独自に任用し、配置している。少人数指導講師とは、区立小学校の第1学年のうち、20人を超える学級に対して、基礎学力定着のために、より少人数の学級編制としてきめ細かな授業を実施するために導入された。また、コース別指導講師とは、学力向上のために、次の目的別に配置する講師である(※1)。
① 教科担任制の実施を目的とする講師
② 習熟度別指導等の少人数指導を目的とする講師
③ 教育課程特例の授業の実施を目的とする講師
さらに、大学卒業後すぐに正規教員として採用された教員の中には「学級経営研修生」という勤務形態になる者もいる。これは、一つの学級に対して「学級経営研修生」を第一担任、退職した教員からなる「新人育成教員」(身分は再任用短時間勤務職員または非常勤教員)を第二担任として二人一組で学級担任をさせることにより、新任教員が学習指導や生活指導などについて理解を深められるようにする仕組みである。この制度は都教育委員会によって平成22年度から実施されている。