東京都は平成22年度(2010年度)、公立学校の教職員を対象として採用から3年間で若手教員を育成するための「東京都若手教員育成研修」を全国で初めて開始した。
●1年次(初任者)研修
1年次(初任者)研修は、教育公務員特例法(※23)第23条に規定される法定研修であり、教員は職務の一環として必ず受けなければならない悉皆研修である。平成22年度(2010年度)に始まった。
「教員としての基礎的・基本的な資質・技能の習得」を目的として、2泊3日の宿泊研修の他、校外における研修を16回、校内における研修を180時間行う。
●2年次研修
2年次研修は、東京都若手教員育成研修の2年目に行われる研修であり、平成23年度(2011年度)に始まった。2年次研修は「初任者研修で身に付けた基礎的・基本的な力を基に実践的指導力を促進」させることを目的に、校外における研修を3回、校内における研修を30時間行う。
●3年次研修
平成24年度(2012年度)に始まった3年次研修は、東京都若手教員育成研修として体系的・段階的に実施される3年間の研修の最終年に行われる研修である。3年次研修は「1年次(初任者)研修で身に付けた基礎的・基本的な力、そして2年次研修で身に付けた実践的指導力を促進し、課題解決・対応力を拡充」させることを目的に、校外における研修を2回、校内における研修を30時間行う。
●中堅教諭等資質向上研修
「中堅教諭等資質向上研修」とは、教育公務員特例法第24条に規定される必修研修の一つである。平成28年(2016)の教育公務員特例法一部改正により、それまでの「10年経験者研修」を改めて、平成29年4月から実施されている。学校運営の中核となることが期待される中堅教諭等としての資質を向上することを目的とした研修である。その背景には、教員免許更新制が始まり、教員免許状に10年間の有効期限が設けられたこと、免許状更新講習と10年経験者研修との受講時期の重なりが問題化されたことがある。
都教育委員会は、中堅教諭等資質向上研修を「中堅教諭等資質向上研修Ⅰ」と位置づけ、平成28年度まで喫緊の教育課題に関する研修として実施してきた研修を改めた「中堅教諭等資質向上研修Ⅱ」を加え、2段階の研修を義務づけている。
「中堅教諭等資質向上研修Ⅰ」は、在職期間10年に達した年度の翌年度から3年以内に受講するものであり、「中堅教諭等資質向上研修Ⅱ」は、在職期間が20年に達した年度の翌年度から3年以内に受講するものである。