■生涯学習推進計画の策定と「教育の港区」の実現に向けて(平成11~17年度)

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●生涯学習推進計画
 平成期に入ると、少子高齢化の進行、高度情報化、国際化の進展など社会が変化し、人々の価値観や生活様式が多様化してきた。こうした変化を踏まえ、平成12年(2000)3月に「港区生涯学習推進計画」を策定し、次の三つの目標を掲げた。
 ① 区民が豊かな生活が送れるよう、学習活動を支援する。
 ② 区民参加・区民協働を進める。
 ③ 事業の総合的・効果的な推進を図るため、生涯学習の推進体制を整備する。
 
●「教育の港区」の誕生の背景
 「教育の港区」というスローガンは、教育特区に代表される国際化教育の推進や、地域との密接な連携を維持した学校づくりの推進などを特徴とした、港区らしい特徴のある質の高い教育を目指したものである。
 教育委員会は、「教育の港区」を実現するために、①港区らしい特色を備えた質の高い教育を行う「区民に信頼される学校」、②保護者や地域と相互に協力する「区民とともにある学校」、③幼児・児童・生徒の希望をくみ取り子どもたちが幼稚園・学校に喜んで通える「子どもたちが誇れる学校」の三つを学校づくりの基本的な姿勢として掲げた。「教育の港区」は『港区の教育』平成17年度版で初めて明記された。
 
●教育目標と基本方針
 平成17年度(2005年度)からは、生涯学習推進計画に基づき、これまでの学校教育中心の目標から、学校教育と生涯学習の2本立ての教育目標に変わった。学校教育では、①地域の一員として社会のルールを守り、ともに生きる人、②生涯を通じ、自ら学び、個性を伸ばし、行動する人、③自立心と責任感を持ち、他者への思いやりと社会貢献ができる人を育むことを目標とした。生涯学習では、①誰もが生涯を通じ、主体的に学ぶことができる豊かな環境づくり、②歴史的・文化的遺産の適切な保全・継承と区民の郷土に対する誇りと愛着の涵養(かんよう)を目標とした。これらの目標は平成23年度まで引き継がれている。
 基本方針については、平成15年度からは、①人権尊重の推進、②魅力ある学校教育の推進、③健全な心と体を育成する教育の推進、④国際社会に対応する教育の推進、⑤生涯学習の推進の五つの基本方針となった。その後、平成27年度までは、これら五つが港区の教育の基本方針として掲げられた。
 
●図書館基本計画と子ども読書活動推進計画
 平成18年(2006)3月に区立図書館のあり方・方向性を検討し、計画的な図書館サービスの充実を図ることを目的に「港区立図書館基本計画」を策定した。インターネットによる貸し出し予約の充実などの情報技術の活用や、開館日の拡大などを通じて、社会環境の変化や多様化する利用者ニーズに対応した図書館サービスの向上に取り組んだ。
 また、平成13年の「子どもの読書活動の推進に関する法律」成立を受け、同じく平成18年3月に「港区子ども読書活動推進計画(第1次)」を策定した。計画の基本的方針として、「読書の楽しさを伝える」「読書活動のきっかけをつくる」「大人が読書好きのモデルとなり導く」「子どもにとって魅力的な読書環境を整備する」という四つの柱を示し、子ども読書環境の整備に取り組んだ。
 
関連資料:【文書】教育行政 東京都港区教育委員会の教育目標(平成17~23年度)
関連資料:【文書】教育行政 港区生涯学習推進計画 学びのあるまち・いきるまち 港区プラン[平成12年3月刊]
関連資料:【文書】教育行政 港区子ども読書活動推進計画 -未来を創る子どもたちへ読書の楽しさを伝える-[平成18年3月刊]
関連資料:【文書】教育行政 港区立図書館基本計画[平成18年3月刊]