■小諸高原学園

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●廃止の経緯
 小諸高原学園(港区立)は校外学習の施設として昭和41年(1966)の開設以来、中学生の移動教室、夏季学園の場として35年間にわたって活用してきた。開設当初は区立学校の生徒数は5700人を超えていたが、少子化の影響と区立中学校への就学率の低下から利用者数も減少し、平成13年度(2001年度)の利用者数は一般利用も含めて約1800人余となった。
 また、平成14年ごろは、子どもたちの自然体験活動の充実が求められており、移動教室の活動内容の再構築に伴い、施設改築の必要性が重要な課題となった。
 一方で、施設は開設後35年経過しているため、老朽化が進み、浴室の改修工事など維持補修費の大幅な増加が想定され、改築が困難な状況にあった。
 こうした事情を総合的に判断し、教育委員会では平成14年度末(平成15年3月31日)をもって小諸高原学園を廃止することとした。
 
●施設の現況・活用
 小諸高原学園の跡地活用および運営方法について議論し、貴重な区民財産の価値を最大限に引き出し、有効に機能させることを目的とし、平成15年度(2003年度)に「小諸高原学園跡地活用検討会」を立ち上げた。区民が広く利用する施設、生涯学習活動や青少年育成のための総合的施設などさまざまな検討を行い、小諸市との連携なども試みたが、区が主体となる活用については、遠隔地であるなどの理由から旧小諸高原学園の土地である必要性が認められず、いずれも決定には至らなかった。
 そこで、区は平成21年に「区外公有地(旧小諸高原学園)の取扱方針」(平成21年6月19日庁議)を決定し、民間のノウハウを活用して独立採算(区は運営上最小限の関与)を原則に区民サービスの提供を可能にする事業者の公募に踏み切った。
 唯一応募のあった一般社団法人小諸エコビレッジを貸付先として決定し、平成23年度から25年度まで一時使用による貸し付け(1年更新)を行った。一時使用貸付期間(平成23~25年度)における事業の検証・評価を行った結果、小諸エコビレッジは当該地を適切に管理・活用していると判断し、中長期的な貸し付けを決定し、現在に至る。