●青年館廃止に伴う機能の統合
青年館は、青少年を健全に育成するため、また、区民の余暇活動のために、昭和43年(1968)に設置された。その後昭和から平成初期を通じて、青年館ではさまざまな事業が展開されていたものの、青少年教育施設としての需要は次第に薄れていった。青年館の運営は、平成8年(1996)に財団法人港区ふれあい文化健康財団に委託されていたが、その機能は平成10年4月の港区立生涯学習センター(ばるーん)開設を機に統合され、同年の3月31日に閉館した。
生涯学習センターは、平成3年3月に行われた統廃合によって閉校となった桜田小学校の施設を改修して、平成10年4月に開設した。青年館で実施されていた事業を発展的に統合し、区民に学習情報および機会の提供、学習の場を提供することを通して、港区の生涯学習の拠点になるよう設置されたものである。運営は、開館当初から財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団に委託された。「ばるーん」という愛称は、区民からの公募により決定されたものである。
生涯学習センターおよび青山生涯学習館(昭和51年開館)は、平成10年4月に、その運営を港区スポーツふれあい文化健康財団に委託し、平成18年4月に指定管理者制度を導入した。
●事業内容
生涯学習センターを利用するには、①社会教育関係団体などによる自主的な活動の拠点として利用する、②生涯学習センターが主催する事業に参加する、という二つの方法がある。
①の自主的に活動する団体は、教育委員会で登録した社会教育関係団体として利用する「登録団体利用」と、登録団体以外の団体が利用する「一般団体利用」がある。「登録団体利用」の場合には、施設使用料は2分の1に減額となる。
②の生涯学習センターが主催する事業にも二つある。一つは、青年館やそれまで社会教育課が行っていた事業を継承するもので、区民大学や寿大学(現さくらだ学校)は、生涯学習センターの設置以前から社会教育課で行われていたものであり、同じく引き継がれた成人セミナーは、名称を変えて「生涯学習センター講座」として実施されるようになった。
もう一つ、開館時に新規実施された事業には、生涯学習についての情報の収集・提供・相談や、生涯学習センターで実施される講座などの企画・運営を行うボランティアを養成する「生涯学習センター学習支援ボランティア講座」などがある。
その他にも、生涯学習センターでは、平成22年度(2010年度)より「協働参画事業」を開始した。その結果、区民が参加しやすい講座が企画・実施されている。
生涯学習センターは、区の他の公共施設と同様に、大震災などが発生した際の防災施設としての機能を持ち合わせている。平成23年3月11日に発生した東日本大震災での教訓を生かし、有事の際には避難所としての利用が想定されている。
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