●寿大学
高齢化社会に備える形で、港区に高齢者教室(寿大学)が開設されたのは、昭和47年(1972)のことである。この事業は、60歳以上の区民らを対象にした講座事業であり、高齢者が生きがいを持ち、地域社会の担い手として活躍することを期待して実施してきた。
寿大学が開設されて約10年が経過した昭和59年度には、高輪地区、愛宕地区、青山地区において、地域の婦人団体による2コースの自主事業と、春期の寿大学受講者による1コースの、計3コースの自主寿大学が開設されたことから、寿大学は、社会教育課が実施する2コースと、住民の自主企画による3コースの全5コースで進められることになった。この自主寿大学は、昭和61年度には区内全域で行われるまでに拡大していった。
自主寿大学は、区民からなる企画運営委員会が企画し、講座内容の決定から当日の運営、反省会の開催も、運営委員である住民によって進められてきた。講座内容は、歴史や文化、健康に関するものが多いが、「お孫さんへのプレゼント」(昭和61年度)や「楽しい英会話と歌」〔昭和63年度・高松寿大学(自主)〕など、幅広い受講者の参加につなげようとする工夫も見られる。
寿大学は、高齢者の生きがいや地域社会での活動を促進することを実施目的の一つとしているが、参加理由には、「テーマへの関心」だけでなく、「友人づくり」を挙げる参加者も多く見られた。
寿大学は、平成10年度(1998年度)の生涯学習センター開設に伴って生涯学習センターの事業となり、平成13年度からは「さくらだ学校」へと名称を変更して実施されている。また、平成13年度からは、企画運営委員会による企画講座を実施している。
関連資料:【図表および統計資料】生涯学習 寿大学テーマ一覧