スポーツ行政の変遷

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 港区においても、スポーツ事業に関わる行政は、学校教育施策や社会福祉施策などとも関連しながら、大きな組織変更を経験した。平成4年度(1992年度)には、学校施設の開放を担当する「学校施設開放主査」が社会体育課に加わった。後述するように、区では、さまざまな学校施設開放に関わる事業が教育委員会の各課において別々に行われていた。学校施設開放主査が置かれることで、学校施設開放事業は社会教育課に一本化され、学校教育と社会教育をまたぐ生涯学習政策の一環として推進されていった。
 組織としての大きな改組はまず平成7年度に行われ、それまでの社会体育課が、スポーツ振興課(スポーツセンター係、事業係、スポーツ施設係)へと改組された。さらに平成10年度には、社会教育課とスポーツ振興課が統合されて生涯学習推進課となり、平成30年度に生涯学習スポーツ振興課となった。
 この改組は、公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団(Kissポート財団)の創設と関連しつつ進められた。
 文化生涯学習および健康増進のための財団法人として平成8年に設立された港区ふれあい文化健康財団は、平成10年に「スポーツ」の名称を加えて改組した。その際、区のスポーツ振興課事業係およびスポーツセンター係の機能が財団へと移動した。縦割り行政の無駄を省き、計画など全体の方向性は区が示し、実際の事業は財団で行うという役割を明確化する目的である。以後、財団は港区スポーツセンターなどを中心とする区の施設を管理し、事業を行う行政補完的な機能を果たすことになった。平成22年には公益財団法人認定を受けた。
 こうして平成期には、スポーツ事業が従来の社会体育課にとどまらず、複数の課を横断して、あるいは民間団体と連動しながら総合的な生涯学習施策として実施されるようになった。この動きは、平成24年の「港区スポーツ推進計画」で改めて体系化されることになる。