■港区スポーツ推進計画策定

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 港区では、港区基本計画に基づき、「身近にスポーツを楽しめる場の確保」「スポーツ活動への参加支援」を柱としたスポーツ振興施策が実施されてきた。他方でスポーツ基本法の施行により、地方公共団体には国が定める「スポーツ基本計画」を参考にして、その地方の実情に即したスポーツの推進に関する計画を定める努力義務が課された。これを受けて港区は、平成24年(2012)3月、新たに「港区スポーツ推進計画」を策定した。
 スポーツ推進計画は、区のスポーツ施策を計画的、総合的に推進することを目的として、港区基本計画の個別計画である港区教育振興プランの下位計画として位置づけられた。当初は平成24年度から29年度までの6カ年計画として策定された。
 新たに策定されたスポーツ推進計画において特徴的なのは、スポーツという概念の捉え方である。スポーツを競技スポーツに限定せず、あらゆる意識的な身体活動に拡張しようとする理解の仕方は、生涯学習の基本理念を反映しているといえる。言い換えるならば、「文化としてのスポーツ」なのである。
 
 スポーツは音楽や美術、文学などと同様、人間が創りだし、享受してきた文化であり、それ自体の中に喜びや楽しさを求めて行われるものです。
 港区スポーツ推進計画 平成24~29年度より
 
 スポーツ推進計画の基本理念は「みんなではぐくむスポーツ文化都市 みなと~誰もがスポーツを楽しみ スポーツで元気になるまちをめざして~」とされた。この基本理念を具体化したものとして、①誰もが気軽に楽しめるスポーツ活動の促進、②スポーツを通じた仲間づくり・地域づくり、③スポーツ活動を支援する環境の整備、④身近にスポーツを楽しめる場の確保、の四つが基本目標として定められた。これらの基本目標に基づいた具体的な施策は、生涯学習推進課を中心としつつも、個々の施策は教育委員会指導室、健康推進課、国保年金課、国体推進担当、子ども家庭課、子ども家庭支援センター、土木課、学務課、庶務課、各地区総合支所まちづくり担当課、高齢者支援課、障害者福祉課など、複数の部局を横断する総合的な実施計画として策定された。
 また、計画の推進に当たっては、港区行政だけではなく、小・中学校、高等学校、大学や町会・自治会、公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団や一般財団法人港区体育協会から、民間のスポーツ・レクリエーション団体や施設、企業スポーツ・プロスポーツ団体を含むさまざまな関係諸機関がそれぞれ主体的に取り組み、互いに協働していくことが求められた。

 


[図32] スポーツ推進計画 基本目標と具体的な取り組み
出典:『港区スポーツ推進計画』平成24~29年度より作成

関連資料:【文書】教育行政 港区スポーツ推進計画
みんなではぐくむ スポーツ文化都市 みなと
~誰もがスポーツを楽しみ スポーツで元気になるまちをめざして~[平成24年3月刊]